1-7 ページ8
琳寧サイド
電話の相手は､海岸に倒れていた男性を診たお医者さんだった｡
男性はどうやら､琳寧と話がしたいんだって｡
という事で､パパが運転する車で病院に向かった｡
みたらしだんごも行きたかったらしいけど､
陽だまり湯でお留守番(^_^;)｡
まぁ､発見したのはあの子なんだけど…｡
病院に着いて､先程のお医者さんに会い､
男性のいる病室に案内された｡
医者「失礼します｡上田さん､来ましたよ」
病室に入ると､ベッドにいる男性が｡
ツヤのある甘栗色の髪がキラキラに輝いていて､
女性のような顔立ちにガン見してしまう｡
上田「2人で話したいので､外してもらっていいですか…?」
えっ､どゆこと?
医者「分かりました」
琳寧の父「じゃあ､パパも」
パパまで!?
訳も分からないまま､パパと先生は病室を出てしまった｡
今は琳寧と二人きり…心臓がバクバクするほど､緊張が高まっていく｡
何を話せばいいか考えていた時､男性が琳寧を見て､話し掛けた｡
上田「おい」
琳寧「は､はいっ!」
ビクッとしてしまう程のキツくて低い声｡
思わず､返事をした時に声が裏返ってしまった｡
上田「俺は海岸で倒れていたと､先生から聞いた｡倒れていた俺を助けたのは､お前だな…?」
琳寧「は､はい…そうです…」
上田「俺は上田竜也｡先生から聞いていると思うが､俺はこの通り､記憶喪失だ｡お前は?」
琳寧「菅田…琳寧…､来月から高校生になります…」
震えるような声で､自己紹介する｡
琳寧「あの…助けてしまって､迷惑でしたか…?」
上田「は?お前､何言ってるんだよ」
琳寧「えっ?(・・?)」
上田「そんな事､思ってねぇよ｡助けてくれて､感謝するぜ｡このまま海岸で倒れていたら､俺は死んでいたかもな」
乙女のような外見とは裏腹に男らしい性格｡
オラオラ系の口調とは裏腹に優しい人｡
なのに､記憶喪失でどこにも行くあてがないんだろうな…｡
琳寧「これから､どうするんですか…?」
上田「分からねぇ｡いずれ､退院して病院を出る事になるだろうし､彷徨続けるだろうな…」
琳寧「…」
嫌がるかもしれないけど､断られるかもしれないけど､
琳寧は思いきって聞いてみることにした｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年4月2日 0時
