1-4 ページ5
上田サイド
今から数時間前の事だった｡
「…は､無いようです」
「…か｡しかし…」
ボソボソと人らしき話し声が聞こえてきて､
俺はゆっくりと目を開けた｡
その先には､白い天井と2人の人間｡
白い服…あー､白衣って言うんだったかな｡
お医者さんと看護師さんの会話…だったらしい｡
看護師「(上田を見て)先生!起きましたよ(^^)!」
医者「あぁ､良かった｡(上田に)なかなか目を覚まさないので､心配していました…」
上田「あの…ここは…?」
看護師「病院です｡あなた､この町の海岸で倒れていたんですよ」
上田「えっ…倒れていた…?」
医者「えぇ､倒れていたあなたを中学生ぐらいの男の子が発見しまして｡救急車を呼んで､この病院に運ばれたんです｡特に怪我や傷もありませんし､健康ですよ(^-^)」
上田「…」
医者「どうしました?」
上田「いや､あの…俺は一体…?」
すると､お医者さんと看護師さんは顔を見合わせて話し始めた｡
少しして､お医者さんが俺に聞く｡
医者「つかぬことをお聞きしますが､あなたのお名前は?」
上田「上田…竜也…です」
医者「ご年齢は?」
上田「26…だと思います…」
医者「誕生日は?」
上田「10月…7日…ですね」
名前と年と誕生日｡ここまでは覚えていたんだ｡
医者「どこの出身ですか?」
上田「…分かりません」
医者「職業は?」
上田「…それも分かりません」
それから色々と質問されたが､俺は「分かりません」と答えるばかりだった｡
看護師「先生､もしかして…」
医者「うん…｡上田さん､落ち着いて聞いてください」
上田「はい…」
そして､俺をじっと見つめた先生はこう告げた｡
医者「上田さん｡あなたは､記憶喪失になったのかもしれません」
上田「記憶…喪失…?」
医者「意識障害によって､過去の事を思い出せないという症状です」
上田「…そうですか」
俺が記憶喪失…どうして､過去の事が思い出せないんだ｡
俺は一体､何をやっているんだ?
どこから来たんだ?
頭の中で糸と糸がこんがらがって､分からねぇ｡
医者「では､また午後に様子を見に来ますので､安静にしていて下さい」
上田「どうも…」
看護師「何かありましたら､ナースコールでお呼びください」
お医者さんと看護師さんは「失礼しますm(_ _)m」と､病室を出ていった｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年4月2日 0時
