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上田サイド
俺を見て､深々と頭を下げる菊池という青年｡
やんちゃで､ぶっきらぼうな雰囲気だが､
目上の人には敬う､礼儀正しい奴じゃねぇか｡
上田「上田竜也だ｡急にお邪魔してきて､すまない」
風磨「いえ｡昨日､俺達のテレビロケを見に来たんすよね?」
上田「気になったから､見ただけだ」
赤西「風磨は､高校生の頃からコイツの親友と一緒に俺の家に居候しているんだ」
上田「親友?(・・?)」
風磨「今は､地方に行っちゃっていないんすけどね」
菊池の親友は､主にミュージカルで活躍する俳優のマネージャーをしているんだという｡
今は地方公演で不在であり､帰ってくるのは来月初めだそうだ｡
赤西「さ､話は昼飯を食いながらでもしようぜ｡風磨､上田にブイヤベースをよそってやれ」
風磨「了解っす(^^)」
赤西から「座りな」とすすめられて頷き､近くの椅子に座った｡
俺がみたいな男が､ここに来るような場所じゃないと思うが…(ーー;)｡
何て言えることもなく､この場から動くことすら出来なかった｡
風磨「ブイヤベースっす(^^)」
上田「…」
俺の目の前にスープが置かれ､じっと見つめる｡
上田「(海老､蜊､鱈…魚介類ばっかりじゃねぇか!それに､あのご飯料理にはイカ､白身魚､海老､蜊､ムール貝がある…(ーー;))」
赤西「上田､どうした?顔色が悪いぞ?」
上田「あっ､いや…何か申し訳ない気がするんだ｡魚って､生き物だろ…」
赤西「お前､魚に対して優しい奴だな」
上田「はっ?」
赤西「でも､生きていくためには､魚も食べなきゃいけないんだよ｡動物の肉も一緒だ」
風磨「俺も､かつてはそうだったんですよ｡だけど､大切な命を貰って有り難く頂くんだと､赤西さんのご両親から教わったんです」
大切な命…か｡
風磨「(赤西に)もしかして､上田さんって…」
赤西「あぁ､間違いないな」
上田「何の話､しているんだ?」
赤西「あー､何でもない｡じゃあ､食おうぜ」
赤西&風磨「いただきます」
上田「い､いただきます…」
スプーンを手に取り､ブイヤベース?をすくって口に運ぶ｡
上田「(トマトの風味に塩気がきいていて､魚介類のダシが後から入ってくる｡それに､魚介類も美味い…)」
風磨「(パエリア)よそったので､どうぞ｡お召し上がり下さい(^^)」
上田「お､おう｡サンキューな」
菊池がよそった､パエリアの小皿を貰って一口､口に運んだ｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年4月2日 0時
