筋肉と甘栗の条件 (ページ27)

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上田サイド

上田「(焦げ茶色の髪で､前髪が長くて片目が見えない男｡クールな一匹狼って感じで､ワイルドな雰囲気を感じる…)」

それとは裏腹に､爽やかな白いTシャツにシンプルなネックレスを着けている｡

見とれてしまったのか､思わず手を伸ばそうとした時｡

?「お待たせしました～」

男性の声がしたので､サッと手を引っ込めた｡

受付の女性が呼んだ担当編集者という人物は､茶色の髪をした男性｡

紺色のカーディガンに､中は白いYシャツ紫色のネクタイ､下は黒いズボン｡

何か地味な男だな…(ーー;)｡

琳寧「高橋海人先生の担当の方ですか?(・・?)」

?「はい､担当編集者の中丸雄一ですm(_ _)m」

琳寧「海人くんの友達の菅田琳寧ですm(_ _)m｡あの､彼が描いた原稿を持ってきました(*^^*)!」

中丸「えっ!?あーーーーーっΣ( ﾟДﾟ)!!!!!海人くんの原稿!届けに来てくれたの!?ありがとう～(T▽T)!!」

男は琳寧から封筒を受け取ると､「良かったぁ～!!」と我が子のように抱きしめた｡

中丸「昨日の夜､海人くんが描いた4コマ漫画の原稿を取りに､まっすーの所に行ったんだけど､まっすーと話に夢中になってそのまま帰っちゃったんだ｡今日の午後までに提出しないといけなくて､会社に着いて鞄の中をチェックしたら貰うのを忘れた事に気づいて､パニックになっちゃって(^_^;)｡今から取りに行こうと思ったんだけど､仕事が入っちゃって外に出られない状態だったから(^_^;)」

編集者って､そんなに大変な仕事なのか…?

中丸「だけど､本当に助かったよ!ありがとう､菅田くん(^-^)!」

琳寧「名前でいいですよ｡それから､この人(上田)なんですけど」

中丸「うん?」

琳寧「実は記憶喪失で､出版社で働いていたかなって思って｡この人に見覚えはありませんか?」

中丸「えっと､お名前は?(・・?)」

上田「上田…竜也…だ…」

中丸「…この人は､出版社の人じゃないかな(^_^;)｡聞いたことない名前だし､見掛けないしなぁ」

って事は､俺はここで働いていないのか｡

上田「…」

中丸「あっ､ごめんなさいね(^_^;)!じゃ､俺は仕事に戻るんで｡琳寧くん､海人くんによろしく(^-^)」

琳寧「はい!失礼しますm(_ _)m!」

上田「お､おう…」

編集者と別れて出版社を後にし､再び商店街を歩き出す｡

ブティックに続いて､出版社でも思い出せなかった｡

くっ…記憶が出てこない…(ーー;)｡

?「あれ?琳寧くん?」