筋肉と甘栗の条件 (ページ26)

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琳寧サイド

海人の担当編集者が働いている出版社は､

商店街の中にあるし､ブティックから歩いて､

1分程で着くほど近いようだ｡

関係者以外は入ることができないけど､

見学できたりして～と内心､ワクワクする(^-^)｡

海人「それじゃあ､よろしくお願いします(^_^;)(琳寧に原稿が入った封筒を渡す)」

琳寧「うん､任せて(^^)｡(増田に)では､失礼しますm(_ _)m」

増田「ありがとうございました(^-^)!」

聡「またのご来店､お待ちしています(^-^)!」

3人に見送られながら､上田さんと一緒にブティックを後にした｡

琳寧「あの､上田さん｡ブティックに入ってみて､何か記憶にありました?」

上田「いや､全然…」

うーん…モデルやデザイナーさんじゃないのかぁ｡

出版社だったら､ジャーナリストとかカメラマンとか?

琳寧「出版社なら､何か思い出すと思うんですけど…」

上田「だといいな…」

あんまり期待していないような答え｡

この人の記憶を取り戻すのは､難しいようだ｡

上田サイド

記憶喪失になった俺を何とか取り戻そうとする琳寧｡

このまま､記憶が無くてもいいと思う時もあるが､

アイツは俺の為を思って､行動しているんだ｡

俺は何か職業に就いていたのか?

ブティックに連れていかれたが､何も思い出せなかった｡

ジャーナリストか編集者か､カメラマン…?

琳寧「あっ､ここですよ」

やって来たのは､赤レンガで作られた4階建ての建物｡

同じく赤レンガで作られた階段を上って､建物に入った｡

受付の女性「いらっしゃいませm(_ _)m」

入って､すぐ近くにいる受付の女性(20代後半ぐらい)が俺達を迎えた｡

琳寧「すみません｡自分は高橋海人先生の友人なんですが､彼の担当の方､いらっしゃいますか?(・・?)」

受付の女性「少々､お待ちください｡(電話を掛けて)もしもし…はい｡高橋海人先生のお知り合いの方がいらっしゃいまして…はい｡かしこまりました」

受付の女性が電話している間､俺は壁に貼ってあるいくつものポスターを見つめた｡

上田「色んな雑誌のポスターがあるな」

琳寧「アイドル誌から少女漫画の雑誌まで､有名な雑誌ばかりですからね｡この出版社の本社は都内の街にあるそうです」

上田「ここじゃねぇのか?」

琳寧「はい｡ここは支社?だったかな」

上田「ふーん…」

複数のポスターを見つめていると､1枚のポスターが気になった｡