伍 ページ5
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当然の事ながら2人の視線は私に向けられている。
「しげ…もしかしてとうとう彼女出来たんか!?」
「ちゃうわ、笑」
ベビーフェイスの方のイケメンが興奮気味にしげに問いかけた。てゆうか声がデカいよ、あなた。
その後、本日3度目となり最早恒例となりつつある自己紹介をし終えた頃、丁度神ちゃんが冷たいお茶とアイスを持って来てくれたので、5人でお喋りをすることになった。
因みに、さっきのイケメン2人は小瀧望と藤井流星といい、しげと神ちゃんの友達なんだとか。
暫くの間、しげのイタズラが酷いとか、流星の天然話、望の爆モテ武勇伝、神ちゃんのオカン化が止まらない等々、四方山話に花を咲かせ大いに盛り上がった。
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そして、帰り際のことだった。
『みんなスマホ持ってる?連絡先交換しようよ。』
「え?俺…スマホ持ってへん。」
流星がスマホを持っていないというのだ。このご時世に珍しい。ガラケー派か、と思ったのだけれど…
「俺も無い。ってかスマホって何?」
「俺も知らん。」
まさかの衝撃発言。スマホを知らんだと?情報化社会の現代に置いてか?
でもここ結構人里離れてるし…そういうことなら…いや、にしたって知らないなんてことは無いだろう。
私が予想外すぎる返答に戸惑い、みんなが不思議そうな顔をする中、しげだけは眉間に皺を寄せて少し悲しそうな、複雑な表情をしていた。
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作者名:イト | 作成日時:2018年6月17日 16時