妖精…？2 (ページ8)

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-YG side-

妖精「私の忠告聞かなかったみたいだね。」

部屋に入りながら妖精は静かに言った。

妖精の言葉を無視した後ろめたさで何も言えなかった。

妖精「………まぁいっか。風呂ちゃんと入った？」

YG「シャワー浴びた。」

妖精「湯船に浸かってはないのか。」

そう言うと妖精は急に俺の首に手を置いた。

妖精「体はあったまってるみたいだしいいか。」

………結構焦った。妖精がここまで近くに来ることがなかったから。

よく見ると、いつもあまり荷物を持っていない妖精が今日は鞄を持っている。

YG「その鞄は？」

妖精「君を寝かしつける道具たちだよ。」

……え？俺道具使って寝かされるのか？

妖精は鞄を下ろして中身を探り始めた。

妖精「アロマキャンドル苦手？」

YG「匂いによる。」

正直に答えると、妖精は鞄から二つキャンドルを出して、

妖精「そういうと思って万人受けする香りを二つ持って来た。

好きな方選んで。」

そう言って俺に二つのキャンドルをもたせて、部屋のカーテンを閉め始めた。

キャンドルを鼻に近づけて香りを嗅いでみる。

………すげぇいい匂い。

しつこくない花の甘めの香りと爽やかな柑橘系の香り。

どちらも好きな匂いだった。というよりこれが嫌いな人いないだろ。

……いいキャンドルなんだろうな。

結構迷ったけど、

YG「こっちで。」

甘めの香りにした。

妖精「了解。」

朝だけどカーテンをきっちり閉めた部屋はなかなか暗い。

妖精がキャンドルに火をつけると、少し足元が見える程度の明るさになった。

落ち着く、いい匂いが部屋に広がる。

妖精は鞄に手を突っ込んで、ズボッと何かを取り出した。

妖精「これ抱いて。」

YG「……………」

出されたのは、大きなウサギのぬいぐるみ。

妖精「恥ずかしいの？」

いや………普通恥ずかしいだろ………

妖精「ギュってしてごらん。私しか見てないんだから。」

妖精がじっと見るから、ぬいぐるみを一瞬抱きしめてみた。

YG「………おぉ。」

このぬいぐるみの抱き心地……めっちゃいいじゃん。

キャンドルとは違ういい匂いするし。柔らかさもちょうどいい。

妖精「ね？いいでしょ？」

……大人の男がウサギのぬいぐるみ抱いてるのは恥ずかしいけど………

抱き心地いいし、妖精しか見てないからいいか。