妖精…？2 (ページ39)

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-you side-

妖精「つまり、いつもそうやって自分を守ってくれる周りの大人に感謝の気持ちを持たないとダメだよってこと。

年上の人に汚い言葉を言っちゃいけない理由、分かった？」

鼻水がついた右手を上に上げつつ聞いてみる。

ジフ「……………うん。」

ジフは素直にうなづいた。

うん、やっぱりこれくらいの年頃の少年には体で教えるのが一番早い。

妖精「じゃ、ちょっと手洗ってくるから待ってて。」

そう言ってから、未だに芝生に倒れたままのジフを置いて蛇口のあるところへ。

手を洗って戻ると、まだジフが芝生に倒れてぼーっとしてた。

妖精「どしたの？どっか痛い？」

倒すときに足とか捻っちゃったかな？

ジフ「トンボ………」

ゆっくりジフが空に向かって指をさしてつぶやいた。

妖精「…………本当だ。」

都会なのに、トンボが3匹も飛んでいた。

……………どれ。

がさっ

妖精「…………よっ。」

パスッ

妖精「………捕れた。」

私は被っていた紙袋をとって、それを使ってトンボを捕まえた。

紙袋から出して、ジフに見せてあげる。

ジフ「ひっ！」

妖精「………もしかして、虫怖いの？」

ジフ「怖くないし！

…………あんまり触ったことないだけだし…………」

妖精「あ、そうなの。じゃあ今触ってみよう。

ほら、こうやって羽を持つんだよ。」

少し怖がっているジフにトンボを渡す。

ジフ「おお……………」

間近でトンボを見て、何やら感動している様子。

妖精「弱らないうちに、離して上げないと。」

ジフ「うん……………バイバイ。」

そう言って、ジフはそっと羽から手を離した。

二人で、ゆっくりトンボを見送る。

ジフ「…………ごめんなさい。」

突然、ジフがそんなことを言った。

妖精「ん？」

ジフ「ひどいこと言って、ごめんなさい。」

少し下を向いて、もごもごと言っている。

妖精「………ああ、いいよ、別に。ジフがわかってくれたならそれでいい。」

そう言って、ジフの頭を撫でた。

ジフ「…………お姉ちゃん、名前は？」

______________「姉ちゃん！」

妖精「……………………」

記憶が呼び起こされる。