妖精…？2 (ページ38)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:97,357 hit

88 ページ38

-you side-

ジフ「は？いきなりなんだよ、余裕だし！！！」

そう言って少しムキになるあたり、口悪いくせにまだまだクソガキだ。

すると、ジフが私に突進してきた。

サッ

ジフ「わっ！！！」

ドサッ

うん、ちょろい。

次は全身を使って突進。

ジフ「ふんっ！！！！うーーー！！！」

グイグイ私の体を押してくるけど

ドサッ

ジフ「うっ！！」

地面に倒されたジフはプライドを傷つけられて、演技じゃない涙を流しそうになってる。

そんなジフの両頬を片手で軽く持つ。

妖精「まだ続けるかい？ん？」

ジフ「……………」

妖精「もう私みたいにちっさいやつでも君には勝てっこないってわかったでしょ？

だって君はまだたった8才のちびっこなんだから。」

するとジフは私をキッと睨んで、

ジフ「バカにすんな！！！俺は全国で顔が知らない人はいない、超有名子役なんだよ！！

俺にこんなことしてどうなるか分かってんのか！！」

顔を真っ赤にして怒ってる。

ごめん、全然怖くないし、かわいい。

妖精「ははっ、残念。私は子役としてのあなたを見たことも聞いたこともないよ。

私にも勝てないくせして何言ってるの？」

ジフ「……………うっ、グスッ……………」

ジフが、本当に泣き始めた。

演技じゃなくて、本当に泣いてる。

だって鼻水垂れまくってるから。

そろそろキツくあたるのもおしまい。最後の仕上げだ。

妖精「おい、ジフや。」

ジフ「………………グスッ…………」

妖精「………まあ聞こえてると思って話すからね。

ジフ、君はまだ私にも勝てない『子供』なんだよ。

そんな子供がどうして毎日安全に生きてられてるか、分かる？」

ジフ「……………ズッ……………」

私はティッシュをポケットから出して、ジフの鼻水を拭う。

妖精「こうして、周りのたくさんの大人に見守られてるからだよ。

ジフが元気に、強く大きくなれるように願っていつもそばにいてくれる大人がいるからだよ。

超有名子役で自分でたくさんのお金を稼いでるのかもしれないけど、まだ小さくて弱いってことは普通の子たちと一緒だからね？

はい、ちーん。」

そう言うと、ジフは素直に「ちーん」とした。

うん、ティッシュからちょっとはみ出た。