妖精…？2 (ページ27)

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-you side-

妖精「…………あぁ。」

疲れた。

なんかちょっと恥ずかしいこと言っちゃったし。

家に帰って、床に寝っ転がってさっきのことを思い出す。

"じゃあ正直に言わせてもらう。俺はお前を信用してない。顔すら分からないんだから。

だから今日お前のことを腹を割って話してもらおうと思ったんだ。"

そう言ってた時のあいつの目は真剣そのものだった。

そんなにも勇気を出して心の内を話してくれたのに。

その時の私には彼の勇気の大きさには到底かなわないほどの小さな勇気しかなかった。

今日が初対面だから、とか、色々と自分の中で言い訳をして、あいつが私の中に踏み込もうとしてたのを突き放した。

正直に話すからって言い出したのは自分なのにね。

珍しく猛烈に反省してる。

…………人前では絶対に反省する姿なんて見せてやんないけど。

それより、あれだけ男の人が怒ってたのは初めて見たかもしれない。

迫力すごかったな。最後なんて紙袋剥ぎ取られかけたし。

というか、剥ぎ取られたし。

あいつが怒りで顔を赤くしていた時、言っていたことが正論すぎて、ただ頭の中でじっと彼の言葉を反芻して、消化してた。

あれだけ感情が高ぶってる中であんなに筋道の通ったことが言えるなんて、なかなかの切れ者かもしれないね。彼。

ただ、彼からしたらじっとして何も言わない私の態度が不快だったらしく、ついに。

グシャァ、てわけですよ。

もちろん、私は顔を見られないように、あいつの顔を抑えた。

私のお腹でね。

私の手は小さいから、手で目隠しするより確実に顔を隠せる方法としてとっさに思いついたのが、あの体勢。

案の定、あいつから私の顔は見えなかったみたいだ。

紙袋を取られたまま、私が正体を見せない理由を教えた。