妖精…？2 (ページ14)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:97,354 hit

64 ページ14

-you side-

木がどんどん削れて形になってくる。

削られた木が新聞紙に落ちてカサッと音がする。

………ジフの絵は本当に上手だったな。

いつもジフは恥ずかしがって描いた絵を見せてくれないから、私が後ろから覗き込んでたな。

で、私が褒めると照れながらちゃんと見せてくれる。

「姉ちゃんに褒められるの好きだから」って。

………ジフの笑った顔が大好き。照れたように笑った顔が、多分後にも先にも一番好きだ。

…………あぁ、ダメだ。思い出したらまたひどく泣いてしまいそう。

でも、やっぱりちょっとは気持ちの整理がついてきたみたい。

サンタのおじさんのおかげでだいぶ私は変われたな。

…………あ、サンタのおじさん。

時計を見ると、時刻は午前11時45分。

これ完成させて、お昼ご飯食べてから行こ。

そして木を黙々と削りヤスリをかけて、完成。

お昼ご飯は簡単にパスタで済ませた。デザートにリンゴもかじった。

さあ、行きますか。

さっさか歩いて、サンタのおじさんがいるところへ。

妖精「こんにっちはー」

警備員「あぁ、こんにちは。今日は被ってないんだね？」

妖精「うん。やっぱり楽だよ。顔覚えててくれてありがと。」

警備員「いやいや、当然だよ。気をつけてね。」

妖精「はーい。」

警備員のおじさんとも軽く話しておじさんがいる部屋へ。

妖精「サンタのおじさん？いる？いるよね。」

「いるいる。あぁ、今日水曜日か。」

妖精「おじさん、しっかりして。曜日の感覚なくなったらダメ。」

「いやー、最近あいつらが売れまくってるからさ？俺も頑張んなきゃいけないわけー。

はー、忙しい忙しい。」

妖精「…………まぁ、無理もないか。おじさんは、今をときめく防弾少年団が所属する

Big Hit Entertainmentの代表様様様様なんだもんねえ？」

そう、私がサンタのおじさんと呼ぶ目の前にいるこの小太りのおっさんは、Big Hit Entertainmentの代表、パン・シヒョクのことだったんだよ。

PS「なんじゃその嫌味ったらしい言い方は！妖精だろ？」

妖精「妖精ゆえの素直さからきた言い方だって。

………ちゃんとご飯食べて寝てるの？」

PS「お前のそういうとこ本当にいい人だよね。」

妖精「妖精だから。」

PS「ツンデレか」