恋とは何者か。 2nd season __kishi yuta__ (ページ4)

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朝起きると

いつも、

不安になる。

.

『おやすみ。』

と岸さんから送られている

通知を確認すると、

.

自然と

笑みが

こぼれてくる。

.

.

岸さんにもらった

合鍵を、

.

自分のキーケースにつけて、

目の前にある鍵を

揺らしながら

ぼんやりと眺める。

.

いつか

使う日がくるのかな？

.

.

それがいつになるかは

わからないけど、

.

心が踊った。

.

.

今朝は、

会社の会議で

ばたばたしてて、

.

なかなか連絡をする暇が無かったけど

.

休憩中に

テレビを付けると、

お昼の生放送で

岸さんが出ていて、

相手も相手で忙しそうで

.

でも、

貴方が生きている時間を

こうやって観れることは、

.

普通の恋人同士ではなかなか無いから

私たちの特権だな

って思いながら

彼を見ていると、

.

不思議な感覚でいっぱいだった。

.

仕事が終わり、

やっと

岸さんに返事をした。

『お疲れ様。

今日、生放送かっこよかったです。』

.

ぽち、と送ってしまったそれは

直ぐに既読がつき、

.

改めて見ると

すごく恥ずかしくて

.

1人、帰りの電車の中で

頰を赤く染めていた。

.

『見てたの？！

恥ずかしい。けど嬉しい！！！』

.

連絡を取っている時の彼は

すごくハイテンションで、

.

少年みたい、

といつも笑ってしまう。

.

『今度いつ会える？』

.

そんな彼に

無性に会いたくなって、

.

私から誘いの連絡をした。

.

.

その日はそれから

彼の返事は無くて

.

でも

忙しいもんね...

そりゃ寝ちゃうよ。

.

と寂しさを

紛らわせるのが

大得意になった。