恋とは何者か。 2nd season __kishi yuta__ (ページ14)

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45 Kishi side ページ14

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Aと全然会えてない

しょうがないことだけど、我慢させてる自分が情けなくなった。

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恋愛のこととなると、器用にできない自分にも、むかつく。

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「みんなどーやって..」

廉「なに岸さん、ため息なんかついちゃって。」

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「うわぁっ、廉かよ..

んーなんも！

明日からツアーかー。楽しみだなっ、廉。」

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ぽん、と廉の肩を叩きまたリハに戻った。

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仕事をしてる時だけ、嫌なことは忘れられる。

後もう少しの辛抱だから、弱音なんか吐いてらんないよ。

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ツアー初日、とてつもなく暑く、蝉の鳴き声も永遠と聞こえる。

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会場に着くなり、最後のリハをして衣装も髪も整った。

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ついに、俺らの夏の幕が開けた。

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アイドルらしい笑顔を振りまいて、歌って、踊って、

この時の俺は、みんなにどう写ってる？

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ちゃんと、精一杯楽しそうに見えてるよね？

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ライブも終盤、定位置につきバラードが流れ始める

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俺が歌い出した時、1番前の女の子がこっちをみた

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A..？

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頭が追いつかなくて、似た人かな？本人？でもこんなとこに居るはずない、なんて思っていたら

ずっと見つめてしまってた。

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確信に変わった僕の心は、
1ヶ月ぶりに見た君が、まだ僕の知ってるAで安心した。

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思わず笑みが溢れた。

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それと同時に、無性にAに会いたくなった。