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車に揺られてから、
15分程が経ち
いよいよ岸さんのウチに着いた。
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ここまでは、背を丸めて
あまり私の姿が
見えない様にしたつもりで
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岸「1003、俺の部屋番号。
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先行ってるね。」
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隣を堂々と歩けないのは
悲しいけど、
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「わかった。
5分後くらいに行くね。」
何でもない様な素振りを見せるのが
私は上手で、
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悟られない様にするのが
いつしか私の日課にもなっていた。
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"ピンポーン"
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丁度5分後、
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初めて岸さんの部屋の
インターホンを押した。
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岸「入って、」
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「お邪魔します」
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彼に言われるがまま
ウチの中に入り、
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車よりも
彼の匂いが充満している部屋に
不思議と安心感を覚えた。
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岸「何飲む？
..って言っても、
お茶か水しかないや(笑)」
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「お茶にします。(笑)」
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部屋に入ってからは
穏やかな時間だけが
私たちの周りを包み込み
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2人で肩を並べてテレビを見たり
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今日までの出来事を話したり、
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会えなかった時間を
必死に埋め合わせる様に
語り尽くした。
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岸「今度さ...
どこか出かけようよ。」
「いいの？
そんなこと...」
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彼の唐突の案に、
私は戸惑いを隠しきれなかった。
岸「何処にも出掛けてやれないのは
俺が嫌だから。
どっか、ぱーっと遊べるとこ。」
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そんなこと言ったって..
何処かに出かけるって言っても、
彼を知ってる人の1人や2人
いや、もっと、
沢山いる。
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そんな危険を犯してまで、
私の為にしなくていい。
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「大丈夫だよ。
私、
岸さんと一緒にいれるだけでいいよ。」
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岸「でも...」
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彼と唇を重ね
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彼の言葉を奪う。
「それ以上..
言ったらだめ。」
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岸「わかった..」
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2人でいるだけでいい
それは紛れもなく
私の本心だった。
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きっと彼も、
今はまだ
そう思ってるはず。
そう信じていた。
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りりん(プロフ) - まり姉様)わわわ、ごめんなさい！！！すぐに直します！！ご指摘ありがとうございます！ (2019年4月8日 22時) (
レス) id: 1e956b3dd8 (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - 苗字の変換が出来ないですよ〜！！入力してもデフォルトの山田のままになってます (2019年4月7日 16時) (レス) id: 1b60a2d7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりん | 作成日時：2019年4月1日 16時
