龍柱様はハイスペック！ (ページ49)

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肆拾捌ページ49

宇髄side

アイツがまた俺の嫌いなツラしてやがるから、理由を聞けば任務での気持ちの迷いで悩んでるっつー話だった

地味だ、地味

悲しそうな顔をしているのは今まで何度か目にしてきたが、あんなふうに辛そうに泣いたのを見たのは初めてで、表情には見せないが、柄にもなく派手に心臓が跳ねて焦った

アイツが泣いてるなんて、そんな顔を見たくなくて思わず抱き締めちまった俺自身の行動にも驚いた

最初は体に力を入れていたAも、俺が言葉をかければ落ち着いたようだった

俺は俺なりにアイツの背中を押したつもりだ

もうあんな顔見んのは御免だからな

そして帰り際、Aが俺に言った

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『宇髄、ありがとう』

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

そう言ったあと、アイツは走って帰って行った

宇「……」

アイツ、あんなふうに笑えたのか

須「？わっ！天元様！」

宇「…あ？」

雛「ふふふ」

ま「こら、須磨、大きい声出さない！」

なんだ？俺の顔に何か付いてるか？

須「お顔真っ赤っかですよ！」

宇「……マジかよ…」

俺は自身の片手で顔を覆った

＿＿

その後、俺は須磨たちに囲まれていた

宇「なんだよ？」

須「天元様！詳しく、くわしーく、お気持ちをお聞かせ下さいっ！」

宇「気持ちって、なんの…」

雛「私たちは四人目が増えてもいいんですよ」

まて、何の話だ

ま「Aなら家事も料理もできそうですし！」

宇「待て、お前ら一体何の話を…」

須磨だけならまだしも、珍しく他の嫁たちも食い気味で話している

須「天元様は、Aくんのことが＿＿」

＿＿

俺は須磨たちと話を終えた後、自室に戻って支度をしていた

宇「…さて、俺も用(•)を済ませに行くとするか」

＿＿＿

Aside

朝、目が覚めて体を起こす

宇髄が色々言ってくれたおかげでわりとぐっすり眠れたと思う

『……』

いつもはグダグダやる身支度も、今日はテキパキと済ませた

『…行くか』

村は少しここから遠いから、俺は早いうちに屋敷を出て村に向かった

＿＿

『…思いのほか賑わってるな』

目的の村に着いたが、俺が思っていたよりも人が多い

『(この人たちを皆、守りきれるのか？)』

まだ日が暮れるまで時間はある

『とにかく、今のうちに少しでも避難させないと…』

この村にいる鬼殺隊は俺一人

俺がやるしかないんだ