龍柱様はハイスペック！ (ページ42)

今日:26 hit、昨日:10 hit、合計:353,380 hit

肆拾壱ページ42

宇髄side

まずい、腕が…！

鬼の鎌が俺の左手を狙って振り下ろされる

俺は痛みと左手を失うのを覚悟した

でも、

『龍の呼吸肆ノ型雲龍の逆鱗ッ！！』

聞き覚えがある声が聞こえて、目の前に俺よりも小さな背中が見えた

宇「っ！？A！？」

妓「なっ…！？何だ、お前ェェ…」

『……』

Aは何も言わない。普段、何も音の聞こえないコイツから、聞いたことないような憤怒の音が聞こえた

俺は善逸ほどじゃねぇが耳がいいからな

Aは全部自分に任せろと、お前は嫁を助けにいけと言う

だが俺は断った

するとAは、は？何言ってんだこいつ。って顔をしやがった

何言ってんだはこっちのセリフだ

コイツら以外の鬼はいない。心配じゃないなんて言えばもちろん嘘になる。が、雛鶴たちはくノ一だ。万が一の対処くらいできると俺は知っている

宇「俺にもう怪我してほしくねぇんだろ？」

そう言うと、Aの瞳が揺れた

宇「ンなもん俺も同じだ。お前が傷付くのは腹が立つ。でも俺たちは鬼殺隊だ。目の前に鬼がいんのに戦わねぇバカがどこにいる？」

『………そうだな』

宇「俺はお前を守る。だからお前は俺を守れ。ド派手にな」

『あぁ、お安い御用だ』

俺たちは共に刀を構えた

＿＿

Aside

俺たちが刀を構えると、途端に鬼は攻撃を仕掛けてきた

ギュルギュルと旋回するような形の斬撃

『血鬼術かっ…！』

やはり上弦、一筋縄ではいかない。けれど、

『猗窩座に比べれば遅いッ！！』

俺は即座に間合いに入った

『龍の呼吸弐ノ型蛟龍』

よし、斬れる！

宇「待て！A、下がれ！！」

『っ！！』

妓「血鬼術円斬旋回･飛び血鎌」

ギリギリで避けた。つもりだった

軽く数メートル吹き飛んでしまった。そしてあの時よりも強く走る痛み

立ち上がろうとすると、ブチッと音が聞こえた

『クソッ…！』

まずい、片足の腱が切られた

『…っ！宇髄！』

宇髄は地面に伏している

鬼は炭治郎たちの方へ行ったようだ

『いっ、…ッ…！』

俺は痛みに耐えながら宇髄の元へ向かった

『宇髄！おい、しっかりしろ！』

血を流している宇髄を見ていると、あの日の征也と姿が重なった

『た、のむ、起きてくれ！宇髄ッ！！』

炭治郎の雄叫びが聞こえる

宇「ンな叫ぶな。傷に響くぞ」

『…っ、宇髄…』

宇「モタモタしてんな。いけるだろ？」

『…当たり前だろ』

俺は立ち上がって炭治郎たちの元へ向かった