参拾参 ページ34
炭治郎side
俺は猗窩座の姿が見えなくなっても叫び続けた
炭「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!!生身の人間がだ!傷だって簡単には塞がらない!失った手足が戻ることもない!」
悔しくて悔しくて仕方ない
炭「逃げるな馬鹿野郎!馬鹿野郎!卑怯者!」
煉獄さんも、Aさんも、必死に俺たちを守ろうと、鬼を倒そうと頑張っていたのに、なのに俺は…
炭「お前なんかより煉獄さんの方が、Aさんの方がずっと凄いんだ!強いんだ!煉獄さんも、Aさんも負けてない!誰も死なせなかった!!」
傷を負っていたとはいえ、ヒノカミ神楽の反動があったとはいえ、何も出来なかった
炭「戦い抜いた!守り抜いた!お前の負けだ!煉獄さんの、Aさんの、勝ちだ!!」
それが、悔しくて、情けない
炭「うあああああああ!!ああああ!わああ!あああ、……うっ、ううっ…」
涙が止まらなくて、その場に座り込む
煉「……」
『……』
煉「もうそんなに叫ぶんじゃない」
振り返ると、Aさんも煉獄さんの隣にいた
『腹の傷、開くぞ。お前も軽傷じゃないんだから』
煉「竈門少年が死んでしまったら、俺たちの負けになってしまうぞ」
そう言われて、俺は黙る
煉「こっちにおいで。気を失ってしまう前に少し話をしよう」
__
Aside
それから杏寿郎は、炭治郎にヒノカミ神楽の手がかりになるかもしれないという煉獄家のにある手記のことを話した
『杏寿郎、まず少し傷を塞げ』
煉「あぁ、だが今喋れるうちに喋っておきたい。気を失ってしまってからではいつ目覚めるかわからないからな」
『……』
そしてまた杏寿郎は話し始めた
煉「竈門少年、俺は君の妹を信じる。鬼殺隊の一員として認める」
『…杏寿郎…』
煉「汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い、人を守る者は誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」
発せられていく杏寿郎の言葉は今までにないくらい、とても優しいものだった
煉「胸を張って生きろ。己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け」
煉「俺はきっと柱に復帰することは難しいだろう。だが、柱ならば後輩の盾となるのは当然だ。柱ならば誰であっても同じことをする。若い芽はつませない。竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、もっともっと成長しろ」
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ソルト - 時代が大正なので英語の言葉があると違和感があります 面白かったです! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 2ea42c4323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2019年11月28日 16時