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参拾壱 ページ32

『グ、う…!』

肋が軋む音がする。痛い

『きょ、うじゅうろうっ…!』

猗窩座は無傷なのに対して、杏寿郎は血塗れだ。左目からも血が出ていて、その目は閉じられている

炭「(煉獄さん…Aさん…!)」

猗「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ杏寿郎、A。お前たちが俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった」

猗窩座の声と、俺たちの荒い息づかいが辺りに響く

猗「だがお前はどうだ。潰れた左目、砕けた肋骨、傷ついた内臓。もう取り返しがつかない。鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ」

炭治郎も伊之助も、俺も動けない

猗「どう足掻いても人間では鬼に勝てない」

その瞬間、杏寿郎から燃え盛るような炎が見えた

煉「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!」

煉「(一瞬で多くの面積を根こそぎえぐり斬る)」

煉「炎の呼吸 奥義!」

猗「素晴らしい闘気だ…。それ程の傷を負いながらその気迫、その精神力。一部の隙もない構え。やはりお前は鬼になれ!杏寿郎!!」

あぁ、ダメだ。立ち上がれ、足を動かせ

猗「俺と永遠に戦い続けよう!」

『っ、ア"ア"ァアッ!!』

炭「Aさんっ…!?」

力を振り絞れ。今度こそ守り抜くんだ!

猗「術式展開 破壊殺・滅式!」

『(もう、失うわけにはいかない)』

煉「玖ノ型・煉獄!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「ド派手に護りきれ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『龍の呼吸 伍ノ型 臥龍天征(がりょうてんせい)ッ!!』

俺は目の前の刀を引き抜き、精一杯の力で猗窩座と杏寿郎の間に入り込んだ

炭「……!!」

__

No side

砂埃が舞う

炭「(煉獄さん…!Aさん…!)」

ブワッと土埃から三つの影が現れた

炭「……!!」

猗窩座が伸ばした腕は、ギリギリのところで煉獄に届くことなく、Aの刀によって切り落とされていた

猗「なっ、…!だがこのまま俺と戦っていれば、お前たちはいずれ死ぬぞ!鬼になれ!鬼になると言え!お前たちは選ばれし強き者なのだ!!」

__

Aside

強き者?俺のどこが強いんだ

強いなら何であの時、目の前で死にゆく友をどうすることも出来なかった

俺は弱い。選ばれた者でもなければ、才能を持って生まれてきたわけでもない

『ぐ、ッ…』

反撃しようとするも、今の技の反動で肋がまた折れ、途端に力が入らなくなり、その場に倒れてしまった

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ソルト - 時代が大正なので英語の言葉があると違和感があります 面白かったです! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 2ea42c4323 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちご牛乳 | 作成日時:2019年11月28日 16時

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