[文スト]猫の恩返し[中原中也]

恩返しその8 ページ10

Aside



痛ってて、




急に中也様が来るものですから窓から落ちてしまいました。




早く戻らなければ、




『、、、ｯ』




痛っっぅううう！




痛い！立てない！




『ニャ！？』



あ、脚に、な、な、なんか刺さってるぅーー！！



血が、血がいっぱい出てる。


痛い、兎に角痛い。




脚の感覚がない、、



『ｸｯ、、』



けど、



中也様のもとに帰らなきゃ、、




帰らないと駄目な気がする、、



中也様、なんだか悲しそうな目をしてた。





だから、帰らなきゃ、、恩返ししなきゃ、、、



中也様、、、！







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Aは、そう想いながら脚を引きずり歩いてゆく。




意識が朦朧として全く違う方向へと歩いていたとしても。



ポタポタと垂れた自らの血で道がつくられ、脚がガクガクと震え使い物にならなくなっていたとしても。





主人のところへ行かなければ、という意識だけがはたらき歩き続けていた。




しかし数十分後限界がきた




バタッ




とAは、見知らぬ路地で倒れてしまった。









.









「あ！この猫ちゃんこのままだと死んじゃうよ！」




「脚にグッサリ鉄が刺さっているし出血が酷いな」




「早く手当しよ」

　

「よし、家で預かろう」

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