#05 ページ6
.
今朝のことである。
AAは遅刻しないように余裕を持って早めに家を出た。
だがしかし、灰谷兄弟はそうではない。
先生にも諦められているのか、はたまた恐れられているからか、注意を受ける事もなくなり遅刻なんて日常茶飯時である。
遅刻確定、そんな時間に欠伸をしながら起き上がる蘭と竜胆。
「なー竜胆。今日Aちゃんのとこ行かねー？」
「んー…学校では話しかけるな、的な事言ってなかったっけ」
「オレら別に承諾してねーじゃん♡」
この男、そういうとこである。
「つーか何しに行くんだよ」
「ぼっちな妹に構ってあげんの♡あと嫌そうな顔見てーなぁって。アイツずっと無表情だし」
「兄ちゃん面白がってるだけだろ」
「当たり前じゃん♡」
この男、そういうとこである()
そこからAを教室から連れて行き、真面目な性格では弁当を用意されていたら簡単に戻ろうなんて思えないだろうという作戦の元、竜胆が弁当を作り始めた。
弁当を作り終え学校に着く。
もう彼らが授業を受けたのは4限目からで、昼休みまではあっという間。
乗り気な蘭となんとなく兄に付き合ってあげてる竜胆はAの教室を目指す。
「あ、ねえAAって子呼んでくんねぇ？」
「えっ…！？ は、はいっ…分かりました！(きゃー！！蘭先輩と話してしまったぁぁあ！！)」
丁度Aの教室に入ろうとした女子を発見した蘭は肩を掴んでAを呼ぶように言う。
この兄弟、顔はいいのだ。
肩を捕まれ振り向いた女子は顔を赤らめ、緊張で慌てている。
灰谷兄弟。
イケメンである事で有名だが、それと同時にかなり名の知れた不良であるため、影でこっそりとカッコ良さに胸を打たれる女子が大半である。
例外として蘭と体の関係にある女子は少数いる。
そんな有名な3年生2人が2年生の教室に、来たとなれば当然教室はざわつき出す。
Aと灰谷兄弟を交互に見て、様々な憶測が飛び交う。
先程の女子がAに話しかけている様子を見ている2人。
ゆっくりと廊下にいる彼らの方を向くと、目が合った途端微かに眉間にシワが寄り、目が細まった。
簡潔に言うと、とても嫌そうな顔をしている。
「あは♡」
「(嫌そ…アイツ表情筋生きてたんだな)」
いい笑顔で手を振る蘭に、呑気な感想を思い浮かべる竜胆。
渋々立ち上がり2人の元へいくA。
『(私の嫌がる顔でも見に来たのか？)』
正解〇。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 605人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お米。(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！亀更新ですが見守っていただければ幸いです。ちなみに私はまだ1回目だったので一日で復活致しました(^^)ゆーらさんも早く復活する事をお祈りします<(_ _)>(もうしてるかもしれないけど) (2021年10月17日 19時) (
レス) id: ef08fd2dc5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーら(プロフ) - こんばんは、凄く面白かったです！これからも頑張ってください！後私も昨日ワクチン打って二の腕死んでますw (2021年10月16日 19時) (レス) id: 0f26bdb992 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お米。 | 作成日時：2021年10月16日 9時
