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59. ページ13

「新作のケーキも出来たし、ポアロでゆっくりしていくといい」

『はーい…』


そこで会話は途切れ、沈黙が流れる。

さっきまで必死だったから忘れてたけどよくよく考えたら私零くんに告白するんだよね?
ヤバい意識し出したら急に心臓うるさい。
てかいつ言うの?
いつ言えばいい?
今日?休み明け?
一緒にご飯食べに行く時?
いや、もう早いうちにさっさと言ってしまおう。
あの女の人の事だって気になるし…

ああもう、思考が纏まらない。


「着いたぞ」


その一声でもうポアロの裏の駐車場に、車が止まっている事に気づく。
降りようとしてドアに手をかける零くんの服を、咄嗟に掴んだ。


「…?皐月、どうした?」


俯いたまま服を掴んでいる私の頭上から心配そうな声が降ってくる。


『………あの、降谷さん…話したい事があるんです。…今日シフト終わるまで待ってて良いですか』


声が震えそうになるのを必死に堪え、言葉にした。
つまり、私は自分自身で退路を塞いだ。


「ああ、分かった」


頭をふわりと撫でられ、嬉しいと思うと同時に照れてしまう。


『ありがとうございます…』

「皐月、行くぞ」

『はい…』


車から降り、ポアロの入口に向かう。

そして、カランコロンとドアのベルが鳴る。


ーーー
ーー


「遥さん、お待たせしました。今日はもう終わりです」


零くんを待つ数時間は実際の何倍も長く感じられ、正直緊張で新作のケーキの味なんて分からなかったくらいだ。

そしてようやく零くんの仕事が終わり、声をかけられた。
「車回してきますね」と言われ、会計に向かう。
そんな私達の様子を見ていたのか、会計時の梓さんのニヤケ顔を見るとなんだか恥ずかしくていたたまれなかった。


「お待たせしました。どうぞ乗ってください」

『…ありがとうございます』


ポアロを出て車がやって来たと思ったら、相変わらずわざわざ降りてドアノブを開けてくれる。

安室透ってやっぱり行動が王子様だな。
嫌じゃないしかっこいいと思うけど私にはむず痒い。

やっぱり私はいつもの零くんが好きだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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お米。(プロフ) - やっちさん» 返すのが遅くなりすみませんでした!コメントありがとうございます<(_ _)> やっちさんのコメント見て「はっ!マジでそろそろ書かなヤバい」と意識が戻ってきましたありがとうございます笑 これからもボチボチ更新して行きますね! (2022年5月15日 11時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです〜 (2022年4月14日 21時) (レス) @page14 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
お米。(プロフ) - 羊型の画面クリーナーさん» コメントありがとうございます!とても励みになります!暫くの間お待たせしてしまってすみません!完結まで頑張ります! (2021年8月17日 18時) (レス) id: ef08fd2dc5 (このIDを非表示/違反報告)
羊型の画面クリーナー - もどかしさで床に寝転がってバタバタしてる← (2021年8月15日 14時) (レス) id: 3429c88509 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編おめでとうございます。待ってました!夢主ちゃんついに記憶が戻ったんですねー!早くくっつけーと思うけど色々考えちゃって伝えられない気持ちわかるーーー。早くラブラブになれー (2021年8月4日 18時) (レス) id: b56edad0a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お米。 | 作成日時:2021年7月31日 17時

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