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私立 夢丘高等学校
都内でもトップレベルの高校。
住宅街から少し離れた、山の麓にある。
校舎は西校舎、東校舎の二つに分かれている。
そしてほかの学校にはない、特殊な所が多い。
私、藤後Aもまた、この夢丘高校に受験し、今日から1年生だ。
この学校の西校舎には"MR"と呼ばれる"問題児クラス"がある。
新入生でMRに選ばれた者には、事前に資料が届くようにできている。
"貴方はMRに選ばれました"と……
私の家に、昨日届いてきたのだ。
一般生徒は東校舎1〜4階。
MR生徒は西校舎1〜3階。
『MRは協調性や自立精神が足りない生徒を集めたクラスであり、共に生活することでお互いに協調性を高め合うために作られたプロジェクトである…………か』
夢丘高校のパンフレットを見ながら、西校舎へ向かう。
途中にすれ違う生徒にチラチラ見られるのは制服のせいか。
一般生徒の制服は、女子はワンピースの男子はズボンの裾に黒のラインが"1本"入っている。
MR生徒の制服には、"2本"入っているのだ。
『あくまでMRと一般生徒は違う……か』
制服や校則を見ても、明らかに一般生徒と比べられている気がする。
『でもまぁ、MR生徒は寮生活を義務付けられてるもんな。これも協調性を高め合うため……かぁ…』
｢ねぇねぇねぇ！！そこの人！！｣
突如後ろから猛スピードで駆け寄ってきた金髪の女子生徒。
『(金髪に、ピアス……)』
制服にはラインが"2本"入っていた。
MRの生徒だ。
｢その制服、MRだよね！新入生！！｣
『は、はい……』
｢良かったー！！女子いたー！！｣
リボンが青いので、恐らく2年生……
この学校ではリボン、ネクタイの色で学年を見分けることが出来る。
1年は赤
2年は青
3年は黄
このように別れている。
｢MRの校舎、分かりにくいから一緒に行くよー！｣
『…ありがとうございます…』
明るい笑顔で手を差し伸べてくれた先輩には、協調性がないとは思えないほど……
やっぱり、MRで過ごすと色々違ってくるのだろうか。それとも、この人は元々なのか……。
｢あ、アタシ黒森！くろちゃんって呼ばれてるよ〜2年生ね！｣
『私は藤後Aです』
｢Aかー！いい名前ー！｣
黒森先輩に手を引かれ、校舎に向かう。
だんだんと近づいてきた。
｢とうちゃーく！！こご西校舎、MR専用の校舎だよ！｣
『……意外と綺麗……ですね』
｢まーね！ま、入って入ってー！｣
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作者名：リサ | 作成日時：2018年12月15日 21時
