【ヒロアカ】トリップ少女は推しに会いたい。 (ページ13)

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『失礼します……』

静かに職員室のドアを開け中に入る。

｢おお、来たか。

彩葉、こっちだ。｣

奥の机から相澤先生が顔を出して私を手招きしている。

『(んあぁぁ！！！可愛い！！

こんなにも仕草が可愛い三十路がいてどうする！！！！)
私、なんで呼ばれたんですか？』

表では落ち着いた生徒を、内心は推しの尊さに悶えている。

｢さっきの個性把握テスト……

お前、個性使ってねぇだろ。｣

『はい。』

｢なぜ使わなかった？
使わないと個性把握テストの意味がねぇ｣

『合理的ではない……と。

私が個性を使わなかったのは、使い道がなかったからです。』

本当の事を相澤先生にそのまま喋る。

｢ほー、使い道ねぇ｣

『私の個性、絵の具を操るものなので。

あの個性把握テストじゃ、活用しようがないんです。

なので、ありのままの自分で挑みました。』

できるだけおしとやかに見えるような笑顔をつくった。

｢…ならいい。教室に戻っていいぞ。｣

『はい。失礼しました。』

職員室のドアを閉めて教室に戻る間、

相変わらず私の心臓はバクバクで。

『(はあぁぁぁぁ……死ぬかと思った！！！！

推しと！！！1対1で！！！話す機会ができるなんて！！！！)』