月島くんと手話少女2

部活 ページ6

｢一年生集合！｣



日向の声が響く



｢｢｢はいっ｣｣｣



全国大会にも出場したバレー部はここ二年で

人数が増えつつある



嬉しいことなんだろうけど


試合に出れるのはそのうちの数人


コートに立つのは強い者だけ


少し複雑ではあった


兄ちゃんのこともあったしね


ちなみに部長は日向…ではなく山口


経験で言ったら日向や影山なんだろうけど


その二人をはじめ、去年の三年生も山口を推していた


縁下さんが言ってた



｢山口は視野が広いし何より両方の気持ちがわかる｣


って



本当にそうだ



出来ない奴の気持ちも分かってできる奴の気持ちも分かる



それに最近じゃ山口はモテ始めている


本人は照れてるけどね



｢なぁ、月島｣


影山が声をかけてきた



｢なに？｣



｢お前は春まで残るか？｣



｢…分からない｣



｢僕は君や日向みたいにバレーで生きていくつもりはない。好きだけどね。｣


バレーは趣味


それで食べていくのは難しいだろう




｢…｣




｢だけど｣



｢？｣



｢負けて終わるのは嫌だ｣

｢勝てば残る…それだけでしょ｣



｢…おう｣

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