男性恐怖症3【ハイキュー！！】

恐怖症101 ページ33

テレビに流れているのはあの日の光景

血まみれのお兄ちゃん

泣き叫ぶ私

そして笑い声

『…やめて』

これで五回目

何回も繰り返し流れるその映像は私を苦しませるのには十分だった

「あー、お兄さんも恨んでるだろうねー」

「君がお兄さんと一緒に手を繋いでなかったら助かってたかもしんないのにね、残念」

淡々と語るその人はなぜこんなものを持っているんだろう

「独りぼっちだね」

「でも君のせいだろう？」

そして男の人は私に近づいてきたと思ったら
テレビの下から錆びた包丁を取った

『あっ…やめて…やっ！』

男の人は無表情で目の前に座り包丁を私の頬に当てた

斜め下を向く私の頬には

ヒヤリとした感覚

「これなーんだ」

突然聞いてきたその質問の意味がわかったのは
その数秒後

錆びているのは血がついたから

よく見るとそれ以外のところはさほど古くない


『…！』

「そう、あれ俺がやったんだよ」


目の前の人間が男であり、犯人

もう意識も朦朧としてきて瞼を閉じようとしたが次は殴られた

「何ねようとしてんの」

「お前のせいなのにな」

また殴られた

「誰も周りにいない」

「俺しかいない」

「お前が悪いお前が悪いお前が悪いお前が悪い」

一発二発三発

頬や頭、顔、お腹



『私が…悪い…私が…』

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