体育祭 当日 ページ5
あの日の夕方。
家にアポ無しで緑谷が来た
キョトンとしながらも用件を聞くと
緑谷「す、すみません突然！
あの、また明日でもいいので…
あの時の訓練、またつけてくれませんか！」
『……向上心は悪くない…が、
私はもう二度とキミに酷い事はしたくないんだ』
私が訓練をつけたのにはちゃんと理由があって
USJで学ぶはずだった分が足りないと思ったからだ
それに、これ以上キミを人間として壊してしまうかもしれないから
キミをまだ殺意に慣れさせたくないからでもあるんだよ
『だから、ごめんな』
緑谷「い、いえ！こちらこそすみませんでした！
ありがとうございました失礼します！！」
早口と共に早足で帰る緑谷に
気を付けてーと大きめの声で見送った
──そして本番当日の朝。
登校してすぐ私達は体操服に着替えるように言われ
控え室の場所へ行くように言われた
いつもは肩掛けがあったので
服の袖口からスースーする肩が違和感で
ついヘロヘロの袖を肩を使って振る
すると残念そうに、はぁーあとため息をついた
芦戸を見やる
芦戸「コスチューム着たかったなあ」
『まあ仕方ないさ芦戸、公平を期すためにだからな』
芦戸「そうだけどおー…てか三奈でいーよ！」
『そうか？なら三奈って呼ぶな』
そう言うと元気に、あいあいさー！
とお茶目な返事をくれた
それぞれが準備体操を終わらせ
開催の時をソワソワしながら待っていた
そして数分後、控え室の扉が勢いよく開き
飯田委員長の声が響いた
飯田「皆！準備は出来てるか！
もうじき入場だ！！」
その言葉に控え室は一気に緊張感が増し
色々と深呼吸をしたり掌に人を書いたりして
さらに落ち着こうとしていた
すると落ち着いた低めのアルト声が
緑谷。という言葉が空気を乱した
緑谷「轟くん…なに？」
その張本人は轟焦凍だった
あの襲撃事件以来、何も関わってなかったが
いつの間にか緑谷に興味を持っていたらしい
その理由は緑谷がオールマイトに目をかけられている事に関係あるようだ
轟「別にオールマイトとの関係を詮索する気はねぇが…
お前には勝つぞ」
…緑谷に何と重ねて勝つと言っているのか
これも後に分かることだろうか
雰囲気を暗くするのに抵抗があるらしい
切島が轟を宥めるように話しかけるが
轟は仲良しごっこじゃないと冷たく払った
緑谷は少し間を開けて轟の背に自分の意思を連ねた
緑谷「僕も本気で、取りに行く…！」
轟「…おう。」
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作者名：飽き性 | 作成日時：2020年5月27日 21時
