【MHA/d.!】無腕の女王様2 (ページ4)

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名を聞くということページ4

チーノとショッピは珍しく
静かに傍で佇むだけで何も言わない
どうやら弱者の戯言だと思っているようだ

コイツら…と内心呆れていると
今度はおうおうと暑苦しい少年が声を上げた

「隣のＢ組のもんだけどよお！
　ヴィランと戦ったっつーから話聞こうと思ったんだけどよお！
　えらrrくチョーシついちゃってんなあオォイ！」

おお、変わった目元の形をしているな
まだ彼は吠えているが、そんなのは無視し

こちらの宣戦布告少年が気に入ったので
名前を聞くことにした

『さて…大胆不敵な宣戦布告、感謝する。
　君の名を聞きたい、私はAだ』

私の言動にショッピは少し動揺し
チーノはマジかと呟いた

それもそうだ。
私の国では名を聞くや呼ぶことは
対等になることを許可している証だからな

？「は？なんで？」

『ヒーロー科に入ってきた暁には
　友人として握手しようかと思ってな』

？「ふうん…心操人使。
　アンタはAね、覚えとく」

ではまた体育祭で。と別れの挨拶をし
先に歩く爆豪の後をついていくように足を動かす

そんな私に続くようにチーノとショッピも歩き始めた

「アンタも無視すんじゃねー！」

『小煩いとモブとやらになってしまうぞ坊や』

「ぼっ…！？分かってんのかアンタら！
　今ヘイトが集中してんだぞ！！」

〝アンタら〟という事は爆豪と私に対してか

この言葉に爆豪は何というのだろうか
つい気になって爆豪の顔を覗き込むと
私の目が合うと舌打ちしてから声を出した

そんな腹立つか私は

爆豪「関係ねぇよ雑魚」

「ああﾞん！？」

爆豪「上にあがりゃあ関係ねぇ」

素っ気なく、さも当たり前の常識かのように
サラリと強い意志を述べた
そんな一歩成長した爆豪を見てつい笑いが零れた

『ふふっ…Ａ組ならこれくらいのヘイト、
　乗り越えないとなあ？』

私のクラスメイトを横目に見て微笑む
そして前へ向き直り、帰路へついた

下駄箱で靴を変える時、
もう話しかけられないと思っていた
爆豪が私をしっかりと見て声をかけてきた

爆豪「オイ、」

『ん？あぁ何だ？』

爆豪「ぜってーテメーに勝つかんな」

『そうか、とても楽しみにしている』

微笑んで返事したせいか
また彼は舌打ちをして猫背で下校していった

うーん……

『私の笑う顔は彼にとって腹立つのかね』

sp「ホンマめんどいやつっすね」

cn「あんなにイライラしてストレス溜まらないんすかねー」

本当に不思議なやつだな…。