【MHA/d.!】無腕の女王様2 (ページ25)

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負けた心のようすページ25

向かう途中で居合わせたた緑谷と共に
控室のドアを開くと、

麗日「いやぁ～！負けてしまった！」

彼女は手を後頭部を少し撫でながら
麗かな笑顔で開口一番に言った

私は少し目を見開いた程度だが
隣の緑谷は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた

麗日「最後いけると思って調子乗ってしまったよ～
くっそお～」

緑谷「う、麗日さん…だ、大丈夫……？」

心配の問いをかけられても
腕の筋肉を見せるようなポーズで
大丈夫だと言って見せた

……泣くのを抑えるかのように強がっている

大丈夫だと言うのはきっと
怪我のことだけを指しているんだろうな

『あぁ、そろそろ緑谷の試合が近いだろ
　準備してきた方が良いぞ』

緑谷「あっ、で、でも」

私に任せておけと言いたかったが
マイク先生の実況が切島と鉄哲の勝敗を告げたゆえに
声に出すことをやめた

それに観客の熱狂具合を見てか
すぐさま第二回戦の第一試合に移るようだ

『ほら、出番だぞ』

緑谷「も、もう…！」

麗日「あぁ！ごめんね私のせいで！
　それに試合見とるから！」

緑谷「いやいやそんな！…頑張るね！」

はいはい麗日のせいでもないから行けと
緑谷を強制的に締め出した

さて、麗日に電話がきているし
私も長居できないな

『私も失礼しよう。はやく電話に出たいだろうしな』

麗日「マナーモードなのに聞こえてたんだね…！」

『それとよく健闘したプレゼントだ
　戻ってくる前に使うといい』

そう言ってハンカチと
涙目の腫れを引かせるクリームを机に置く

麗日「あ、ありがとう…！」

麗日からの感謝を背に受け止めて
控え室から出た

…が、少し離れた先に緑谷がウロウロしていた
麗日に何も出来なかったことを悔やんでるな……

緑谷「あ、Aさん…」

『全く悪い子だな、盗み聞きする気か』

緑谷「うぐ…す、すみません」

『謝らんで良いから』

そう言いつつ服の袖口を彼の肩に乗せる
試合場に向かうようにそのまま彼を引っ張った…が

数メートル先に例のヤツの気配を察知してしまった
ここは私は姿を消した方が良さそうだ

緑谷「それに今さっき、麗日さんに元気つけられましたし」

その事を緑谷にも悟られないようにと
自然な流れで彼の視界から離れる

緑谷「ん、あれAさ……」

もうヤツはすぐそこだ
ちょっと危なかったかな…ふう

緑谷「ｴｯ、エンデヴァー！！？」