麗日の覚悟 ページ24
この第八試合は…
精神が未熟な者が見るには
目をおおいたくなりそうだな
マイク≪堅気の顔じゃねぇ！
ヒーロー科ァ爆轟勝己！
ヴァーサス！
オレこっち応援したいぃ…
ヒーロー科ァ麗日お茶子！≫
マイク先生がっつり私情いれてんじゃねぇか
爆豪が目つき悪いから余計にそう見えるのかねえ
でも…お茶子は覚悟をしているようだな
爆豪が引くように言っても一歩も下がらなかった
体勢を低めにして屈んだ状態で突進する
彼女の勝利方法は相手に触れることだ
爆豪をどうにか油断させて触れれば……
…だが、きっと彼女には無理だろう
爆豪の身体能力、反射神経、スロースターターの才能…
彼女がどんな最善な策を練ろうが
圧倒的なレベル差のように適うことはないだろう
『麗日の心が折れないと良いのだが……』
誰しも人間、劣等感や妬ましさを感じるだろう
……ヒーローの夢を諦めることも
ほら今もこうして、彼女は圧倒的な力に吹き飛ばされている
何度も、何度も、目くらましをしても
「おい！」
すると観客席のひとりが立った
「女の子そんなにいじめてたのしーかよ！」
「そーだそーだ！！」
はあ……そんなの戦場で言っていたら
すぐに死ぬぞ…
爆豪へのブーイングが始まり、眉間を抑えたが
放送席からミイラマ……もとい
相澤先生が声を荒らげた
相澤《今遊んでるっつったのプロか？何年目だ？》
今…マイク先生が何か言いかけたが
(おそらく)相澤先生に攻撃くらわされて
なにすん！？って聞こえたな
それはお構いなしに先生の言葉がまくし立てられていく
相澤《シラフで言ってんなら
もう見る意味ねぇから帰れ！
帰って転職サイトでも見てろ！
爆豪はここまで上がってきた
相手の力を認めてるから警戒してんだろ
本気で勝とうとしてるからこそ
手加減も油断もできねぇんだろうが！》
そしてブーイングの声は止んだ
相澤先生ナイスだ
しかもお茶子はブーイングしていたヤツらの思っている
か弱い女の子じゃない、ヒーローを目指す子なんだ
彼女自身が考えた作戦は
爆豪に悟られないように爆発で飛んだ
石の欠片を全て浮かせていた
そして彼女は浮遊を解除するよう指を合わせた
確かに、爆豪の意表を突いた
しかし……彼女の策はいとも簡単に打ち砕かれる
いくつもの石の欠片が降ろうとも
彼は高火力の爆発で石も彼女も吹き飛ばした
麗日は爆豪に勝てなかった。
一回戦が終わったので小休憩を挟むらしい
…流石に心配だ、様子を見に行くか
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作者名：飽き性 | 作成日時：2020年5月27日 21時
