不穏な夕暮れ ページ18
長かったようで短い空の旅を終えて
バトラーの元へ戻った頃には夕方になっていた
〈……ンテ〉
『あ…拗ねてるな？悪かったって』
〈…ウォレオン〉
不機嫌ながらも尻尾を私の脚に巻き付けるバトラーを宥めつつ
野良トレーナーから半強制的に奪ったお金で買った
キャンプセットを広げる
背の高いバトラーに飛べるシュタールが居たので
ものの数分で簡単にテントが張れた
さて夕飯だが、お金もそんな無いので
シンプルにカレーにした
木の実なども入れてみたがかなり美味しい
バトラーもシュタールもバクバク食べて
〈ジムチャレンジの中間発表始まるロト！〉
『ｺﾞﾎｯ』
最後のカレーをひと口飲み込んだ時に
ロトムの起動音にむせた
バトラーに背をさすられながら
ロトムから表示された画面に目を向ける
そこにはマグノリア博士達から聞いた
ジムチャレンジの催しが映されていた
《さあーて！ジムチャレンジ開始からまだ五日だが
ジムファイヤファイターのカブを突破したチャレンジャーの発表だ！》
ジムチャレンジ…
簡潔にいえばチャンピオンになれる唯一の機会
チャンピオンに挑むには
ジムリーダーにポケモン勝負で勝ち
バッジを揃えないといけない
ジムリーダーはそれぞれの属性のポケモンだけを持ち
ジムミッションというのをクリアしてから
ジムリーダーに挑むことができる
今出てきたカブというのが
エンジンシティのジムリーダーらしい
その後にロトムから聞こえた
選手の名前に驚くなんて思いもしなかった
《難関門のひとつを突破したのは！十代前半の最年少！
まさに第二のダンデ！！
ホップ選手にユウリ選手マサル選手ー！！》
───ホップに、ユウリ、マサル…？
『ロトム、ソニアさんからのメッセージを開いて』
《メッセンジャーを開くロト！》
最年少…ユウリにマサル、ホップ…
ソニアさんから送られた少年少女の写真…
間違いない。あの三人だ……！！
街を出る前にソニアさんから聞いていた───
「そういえば数日前にも旅をする子が三人いるんだよ！
ユウリとマサルとホップって言うんだけど、
会ったらよろしく言っといて！写真あとで送るからさ！」
『分かった。ユウリとマサル、ホップだな』
───あんな、年端もいかない子がチャンピオンに？
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作者名：飽き性 | 作成日時：2022年3月5日 2時
