【MHA/d.!】無腕の女王様 (ページ26)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:18,969 hit

【圧倒的~轟side~】ページ26

《それではヒーローチームＢと、
　ヴィランチームＫの屋内対人戦闘訓練第六戦
　スタート！！》

という放送が切れた瞬間、目の前に
ビルの入口を塞ぐようにコンクリートの壁が出てきた

『なっ…！』

始まったと同時に、侵入口を塞いだだと…
他の窓や裏口を見るも全て塞がれていた

これがAの個性…
触れた物質を変質や変形させる
というのは厄介なことにかなり広範囲らしいな

他に紫のヘルメットをしたショッピというのが
飛び道具の進行方向を曲げる個性
ボサボサのメガネをしたチーノが
相手を思い込ませた事を具現化する個性

後者は引っかからなければいいが
ショッピの個性はかなり怖いな……

『障子、音はしたか？』

障子「…すまない、足音も声も聞こえない。
　閉ざされる前に聞けばよかったのだが、早すぎる…」

『いや仕方ない。本当に早すぎるからな
　…この壁を溶かすから待ってろ』

閉ざしたコンクリートの壁に手を当て、
熱を集中させると穴が広がっていく

どうやらそこまで硬いやつではないようだ
先手は越されたが、これで先へ…

障子「轟避けろ！引き金を引く音だ！」

──「Tschüss。」

パン。と銃から放たれたのは捕縛テープだった
咄嗟に俺と障子は避けて捕縛は免れた

しかし目の前の奴はニヤリと笑っていた

俺が凍らせようと手を出した瞬間、
落ちたはずの捕縛テープが手首にまきつけられていた事に気付いた

『なっ…！！』

何故？ショッピの個性で飛び道具の方向を
変えれるからと言って巻き付けるほどではないはずだ

障子「くっ！？」

《ヒーロー捕獲によりヴィランチームWIN！！》

障子も…いつの間に？どうやって……

そう考えているとビルの侵入口を塞いでいた
壁達がドスンと落ちた音をたて、地面を少し揺らした

そしてその地面を見て気付いた
捕縛テープがふたりも捕らえたのは…
放たれたのは元々ひとつでなく、いくつも集まった捕縛テープだったんだ

避けたと油断して目を逸らした瞬間に
個性でそれぞれの方向を変更したわけか…！

だが、だからといってこんな丁寧に
テープを巻き付けることはできないはずだ

すると上から窓を開ける音がして目を向けると
俺を見下ろし、ニッと笑うAの顔が瞳に映った

あぁ…コイツに勝てる気がしないな。