【MHA/d.!】無腕の女王様 (ページ18)

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ウソと事実ページ18

するとこちらへ走る足音がひとつ。

まあ見なくても予想はついてるので、
呆れた顔をして警戒するふたりを
牽制するように一歩前に出た

爆豪「クソ女ァ！」

『Aな、何か用かなバクゴーくん』

爆豪「テメェも…デクの個性に気付いてたのか」

おや、随分と弱々しくなったな
いや…騙していたのかと怒りで震えているだけか

『…さあ、ね。私のように個性の発見が遅れただけじゃないか？』

爆豪「……チッ！」

私は勘づいたのをひた隠しにしてとぼけると
悪ガキは舌打ちをして歩いて行った

悪ガキの背を見るふたりの雰囲気が
“悪ガキマジぶっころ”みたいな敵意をかましていたので小突いてやめさせた

『さて…百ー！一緒に教室へ行っても？』

百「もちろん大丈夫ですわ！
　にしても相澤先生は流石ですわね、
　嘘とは言え生徒たちを鼓舞するとは…」

『あー……』

まあ、今なら周りに誰も居ないし
言っても大丈夫そうだし、言ってしまおう
間違いを正すのは好きだろうしな

『相澤先生、除籍常習犯だけどな』

百「…へっ？」

サラリと事実を述べると
間抜けな声を出して首を傾げた百
可愛らしくてつい笑ってしまう

『去年の体育祭、グルッペンというのが居ただろ？』

百「え、ええ…」

『私そのグルッペンと血族なんだが、
　去年の今日に聞いたんだ。
　“俺達以外を除籍にして凄い先生が居た”って』

百「なっ…！まさか、では何故
　合理的虚偽だというウソを…」

『最下位に可能性を見出したんじゃないか？
　もしくは気まぐれか…多分な』

あの場で言わなかったのは
百が恥を覚えると思って言わなかったゾ

と小声で言うと百は顔を手で覆い、
小さく感謝の言葉を述べて、後悔をした

百「私は、なんという勘違いを…！」

『よーしよしよし、大丈夫だぞー』

百の肩と肩をコツンとして慰めつつ
教室へと向かった

教室に着く頃には落ち着いていたので
変に思われずに済んだ