検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:5,035 hit

4 ページ4

. 悪夢の始まり


「 きゃー!! 」

翌朝、いつものように雄登と登校したAは、

早くも異変に気付いた。

昨日置き忘れていた文庫本を取り出して

読み始めようとすると、

挟んであったしおりに、血の跡のようなものが

無数に垂れていたのだ。

「 どうした、A 」

雄登が駆け寄ってくる。

Aがしおりを恐る恐る見せると、

思わず雄登は後ずさった。

「 え、なにこれ...... 」

もしかして、と思うものが二人にはあった。

しかし、まさか、と思う気持ちも強かった。

流石に、普通の人ならこんなことはしないだろう。

いや、しかし作間は普通ではなかった。

「 や、やばいって 」

雄登はしおりを取り上げ、

教室のゴミ箱に捨てようとした。

「 待って 」

Aがそれを制する。

「 本人に聞いてみよう。違うかもしれないし 」

「 いや、でも流石にこれは...... 」

雄登は納得がいかない様子だった。

今にも職員室に駆け込みたい、といったところだ。

「 もし作間くんだったとしたら、どうしてこんなことをしたのか聞こう。理由をちゃんと聞こう 」

Aはハッキリとそう言った。

理由を聞いたところで教えてくれるはずがない

と雄登は思ったが、

今はAに従うことにした。

「 大丈夫。雄登は心配いらない 」

と言ってAは笑ってみせた。

この世界で1番、強くて美しい笑顔だった。


その少し後で、雄登は気を失いかけた。

Aと話をした後、自分の席に戻ると

机の中に、

見覚えのないものが入っているのがわかった。

手を突っ込み、出してみると

それは血のついたカッターナイフだった。

雄登は全身から血の気が引いて、

身体が震え出すのがわかった。

「 ......A...... 」

幸い、というべきか、不幸というべきか

朝の早いこの時間は、

教室に二人の他に生徒はいなかった。

「 何? 」

Aは緊張しながら雄登のところへ行く。

雄登が手にしているものを見て、

思わず尻もちをついた。

「 な、にそれ...... 」

声は震えて、喋るのもままならないほどだった。

机の中に入ってた、と雄登が言った。

二人は確信した。

作間は尋常ではない人間だ、

早く大人に報告しなければならない、と。


「 おはよう、二人とも 」

その時だった。

作間が颯爽と教室に入ってきた。

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:HiHiJets , 作間龍斗那須雄登 , 美少年   
作品ジャンル:ホラー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:素粒子 | 作成日時:2019年3月12日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。