アマレッティ。

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不器用なんだよね、ひろは。




素直に言えばいいのに、どこかかっこつけちゃうから

うまく相手に伝わらないし、





だから自分を責めて傷つける。








『やっぱ俺の気持ちわかるのお前だけだわ。』


こういうの、平気で言っちゃうんだもんなぁ。




正直・・・、

散々さりげないひろの言葉で何度も惑わされて期待して来た。





でも私が期待しているほど


ひろはそんな風に私のこと見てない。





妹、そんな風にしか・・・。











「んーーーっきもちーー！」






空に向けて大きく背伸びをした。

いつものイチゴミルクを片手に持つ。





寒いからかここの屋上は冬になると人気が少ない。





息を吸うと鼻に通る風がつんと痛かった。








「う〜さむいな〜」




ん？だれ？





振り向くと

鼻を赤くさせた玉森先輩の姿だった。




目が合うとにひって笑う。





「玉森先輩っ！」



玉「おっ、名前覚えてくれたんだうれしいー」



そう言いながら、近づいてきた。






玉「屋上、よく来るの？」


「はい、風が気持ちよくって」




でもね〜って言って、

玉「俺こっちじゃなくてよくあそこいる。」



指さした方は、

ここよりも少しだけ高い階段のある場所だった。




というか…、

先輩、確かに身長高い…、


目線がかなり上、


玉「ん？」




「あっ_____いや…/」


玉「行ってみる？あっち。」

「へ？」


玉「いこいこっ」



不意に手を繋がれ、

走った階段の上は


さっきの場所より高いはずなのに風が少なかった。





玉「実は、俺ここで

Aちゃん見てたよ。




よく来るな〜って思って気になってたら

昨日ぶつかって、あ！ってなった」




「っそうなんですか！？」






玉「よくめんどい授業さぼってここにいるから


俺の方が常連だったりするかもね〜〜、んはは」







ふわふわ笑う先輩の笑顔を見ると

なんか、苦しくなった。


なんだろう。これ。




呼吸の仕方を忘れた気がした。














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