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図書室にある大きな時計が
音を立てながら秒針を振る。
ストーブの匂いと温かさが
より私を眠りに誘った。
一問目からノックアウト寸前で
ただただ下手くそなペン回しが働くだけ。
「んっと、」
姿勢を正して
プリントに向き合うものの、もう無理。
調べても調べても分からない。
終わった。って、諦めようとした
「浅くは人を思ふものかは」
「えっ、」
声がする方を振り向くと_____、
分厚い本を抱えた男の人が指をさしていた。
「______え?
…あっ、問3のこた、え、、」
「・・・あっ」
「っごめ、なんか、分からなさそうだったから」
その人は少し照れながら笑った。
見たことない顔。
同じ学年じゃないのかな…
「あ、ちなみに〜この意味はね」
そう言ってさりげなく私の隣に座る。
「浅い心であなたを愛していたでしょうか。
そんなことはない。深くあなたを愛していました。
って意味なんだよ。」
「凄い・・・綺麗な文ですね・・・」
「分かる。俺も好き。」
顔が近かったから
びっくりしてそっと距離を置く。
くしゃって笑った後、
その人もまた照れたように下唇をかみ視線を外した。
かと思えば、
「あっ!」
って、大きな声を出し
「さっきはごめん、大丈夫だった?」
と、目を丸くさせて見つめてきた。
「さっき・・・?」
「さっき当たっちゃって転んじゃってたでしょ?」
「あっ!あぁ!全然だいじょうぶです!」
よかったぁ、って胸を撫で下ろしている。
机に置いていた分厚い本と________教科書、
裏に書いてある名前が見えた。
"3年 玉森裕太"
「さんねん、、、たまもり、ゆうた、、、」
玉「あ、うん。そっ。おれ玉森。
きみの〜なまえは〜これかな?」
そう言いながら教科書の裏を見て
玉「七瀬Aちゃんね〜
2年かぁ、
おっけ覚えとく。
Aちゃん。七瀬ちゃん。七瀬Aちゃん。」
何度も復唱しながら
ばいばーいって席を離れた。
自由な人・・・
「…っふぅ、」
なんか、めちゃくちゃ緊張したな…
変にドキドキしてる。
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あーる(プロフ) - みぃさん» えぇ!そうなのですね!凄く凄く嬉しいです!ありがとうございます(;_:)期待に応えられるように頑張りますね! (2022年1月22日 18時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - あーりんさん» はじめまして!コメントありがとございます(*^ ^*)わかります!(笑)ですが!ん〜!ひろもいい!と、なって頂くようにこれからの展開楽しみにしていて下さい!(笑) (2022年1月22日 18時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - とても楽しくて一気に読みました!続き気になります♪楽しみにしていますので更新待ってます(●︎´▽︎`●︎) (2022年1月21日 17時) (レス) @page50 id: 50bd3f33bc (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - はじめまして。いつも更新楽しみにしています。個人的には玉森先輩とくっついてほしいですが…今後の展開に期待しております! (2022年1月2日 23時) (レス) @page50 id: bd02f04d72 (このIDを非表示/違反報告)
あーる(プロフ) - 桃マスカットさん» コメントありがとうございます(;_:)キュンキュンしていただけで凄く嬉しいです!!この二人に揺れ動いてる主人公羨ましい!(笑)ご期待に応えられるように頑張ります! (2022年1月2日 13時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーる | 作成日時:2021年11月25日 22時