アマレッティ。

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「あっ、おつかれ！」






北「おつかれ！じゃねーよ」



「…へ？」





北「早く帰れ」









相変わらず冷たい…





「なにその言い方っ

試合見てただけでしょ！


なのになんで──





北「寒くて震えてんのに無理して試合見るなよ」






ほら冷て、って


ひろのあったかい手が私の凍った指先に触れた。








ひろは幼馴染だから


こんなの"あたりまえ"なんて思ってるかもしれないけど





さすがにもう高校生だし

少しは意識しちゃう。


しないほうがおかしいよ、








「だって・・・、




もうすぐ大会も近いし

ちょっと見てみよかなって思って」








色々と感情が

顔に出ていないか不安になって

さっきよりもマフラーに顔を埋める。






北「わかったから、」



「ひろだって早く汗ふかないと風邪ひくよ？」



北「俺はバカだからひかねーの

はい、帰った帰った。



あ──、

母親が渡したいものあるから家寄ってけって」







一応、ってポケットから鍵を出して投げた。









じゃ、って



軽快に走ってく後ろ姿が

昔のやんちゃなひろを思い出す。







『絶対お前より身長うーんと高くなって

見下ろしてやるんだからな』





ジャングルジムの頂上でよじ登る私を見て

悪戯に笑ったり、









『あぶねーから、つかまっとけよ』



塾の帰り道に自転車の後ろに乗せてくれたり、










『Aをいじめていいの俺だけだし』





学校で嫌な目にあって

たまらず泣いたら、照れ隠しでそう言ってくれたり、








冷たかった指先は

徐々にあったかくなっていき




握っていた鍵が重たく感じた。














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