夢には終わりを/最終兵器/4 ページ9
「え、空間から女の子が！」
眩しさが引いてやっと目を開くと、やはりキヨが言っていた通りここは庭なのだろう、
そこは綺麗に手入れされ、まるで迷路のような茂みがあった。
そこには、目をみはる程美しい薔薇がいくつも咲き誇っていた。
目の前の赤にダイヤ柄のネクタイをしたこの人は、私が突然現れた事に驚いてしまったのか、
頭から真っ赤なペンキをかぶってしまっていた。
「あの、すみません、大丈夫ですか？」
「え、俺？平気平気！でも片付けは大変かもな…」
「じゃあ私が手伝います！ほぼ私のせいですから」
成り行きで手伝う事になり、今は水を芝生の上から流して掃除している。
芝生の掃除とか初めてなんだけど。まあ此処が普通じゃあないからかもしれないけど。
無言で作業ばかりなのも癪だったので、思い切って話しかけてみた。
「名前、聞いてもいいですか？」
「もちろん！俺はこーすけっていうよ、ここのダイヤの兵士やってるんだ。良かったら君の名前も教えてよ」
「わざわざ自己紹介までどうも、私はAっていいます」
私が名乗ると、こーすけさんは楽しそうに笑って、敬語じゃなくてもいいのに、と言ってくれた。
きっと此処の兵士さん達は皆、とてもいい人なのだろう。
見ず知らずの私に、たくさんの色や種類の薔薇を見せてくれたりした。
私を見兼ねたのか、こーすけは少し考える素振りを見せた後、
他の兵士さん達に何やら相談をしていた。
「女王様には怒られちゃうかもしんないけどさ、これ」
こーすけの手にあったのは綺麗な薔薇の花束と、一輪の赤い薔薇だった。
そして、一輪の花を手際よく頭に飾ってくれた。
「こーすけも、皆も、本当にありがとう…！」
「いいんだよ。Aに会えて良かったって皆思ってるよ」
「これで、Aも帰れるね」
その言葉の意味は、私にはあまり理解出来なかった。
直後、あの時のような甘い香りがして私は眠りに落ちた。
最後に映ったのは、空と、こーすけ達の優しい笑顔だった。
私は木漏れ日の中にいた。
ひどく不思議で、楽しい夢を見ていた。
ふと、首にある懐中時計に気付いて、まさか、と思う。
私は驚いてポケットに手を入れると、香水瓶とクッキー、銀のスプーンがあった。
頭に手をやれば薔薇があり、足元では花束が揺れていた。
_____これは夢なんかじゃなかった！
また、何処かで会えるといいな。
おかしな世界で出会った楽しい人達を思い浮かべて、
私はまた本を開いた。
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らく。(プロフ) - きりたんぽさん» リクエストありがとうございます、少し見てみましたがめささん面白いですね〜！もう少しお勉強してからになりますが、ぜひ書かせていただきます。応援コメントものすごく嬉しいです、ありがとうございます！ (2016年9月12日 20時) (
レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
きりたんぽ - 書ける方々に書いてないんですけど、泣き虫な、悪魔めさ(めさ)さんを書いていただけないでしょうか。 無理なお願いをして申し訳ありません。 更新、頑張ってください！ (2016年9月9日 2時) (レス) id: aa815dad7c (このIDを非表示/違反報告)
3.14159265358979323・・・ - きっくん”ん”ん”ん”あ”あ”あ”あ” (2016年8月31日 21時) (レス) id: 138fe4e0ba (このIDを非表示/違反報告)
らく。(プロフ) - ライトユーザーさん» リクエストありがとうございます！楽しんで頂けるよう頑張りますね。コメントありがとうございました！ (2016年8月2日 18時) (レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
ライトユーザー - 積極的な蘭たんお願いできますか？ (2016年8月1日 21時) (レス) id: 04185b1930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らく。 | 作成日時：2015年7月26日 2時
