夢で吸い込まれ/最終兵器 ページ6
ああ、私は何処にいたっけな。
確か、木の下で本を読んでいたはずだけれど。
その後、白い耳を生やした変な人が横切ったっけ。気になって追いかけたら、吸い込まれて_
そこからの記憶が曖昧だ。ここは一体何処なのかな。
「ど、どうしよう、急がなくちゃ…
女王様はもうきっと、とっくにお怒りのはず…」
あ、あの変な人。何かにとても慌てていて、怯えているようだった。
首から懐中時計をぶら下げて、白と深緑の燕尾服を着ていた。
まあそこまでは普通の人と言えるだろう。
でも、頭から真っ白な兎の耳が生えているのだ。明らかに人間とは言い難い風貌だった。
「あの、」
「ん、君は…見ない顔だね、名前は?」
「Aといいます、貴方は?それより此処は何処なの?」
「俺はヒラ、女王様に仕える白うさぎだよ、そして此処はただの野原。
此処は何処だなんて、君はおかしな事を聞くね!面白い!」
褒められたんだろうけど、別に私は私の面白い所なんて分かりはしなかったから、とりあえずありがとう、とだけ言っておいた。
「Aとはもっと話していたいけれど、
生憎俺にはもう時間がなくてね。じゃあ、さよなら!」
ヒラは急に走り出し、何かを思い出したように振り返ると、
「この懐中時計あげる!俺らが出会えた記念ね!」
無邪気に微笑んで、綺麗な懐中時計懐中時計を私に投げてよこした。
出会えた記念、だなんてヒラも随分面白い事言うなぁ。
よく分からない場所に来てしまったけれど、なんだか少しはこのままでもいいかな、と思った。
つまらない日ばかりで、楽しくもない人生なんて嫌でしょう?
それなら、愉快でおかしな世界の方が、何十倍も良いに決まってる。
ヒラに貰った懐中時計をぶら下げると、私は当てもなく森の中に入って行った。
あんな厄介な人がいるなんて知らずに、先に進んでしまった。
「え、結構暗いのね」
森林浴ってのは聞いた事があるけど、そんな事出来そうもないくらいこの森は暗かった。
さっきからだんだん足元がふらついてきている。
お腹も空いてきたし、そろそろ抜けたいなぁ。
そんな事を考えていたら、どこからか綺麗な音楽が聞こえてきて、気が付いたら引き寄せられるようにそちらへ歩き出していた。
そこには、ぐちゃぐちゃのティーセットを囲む二つの影。
此方に気付いたようで、声をかけられてしまった。
「やぁ、お嬢さん。ここは俺らのティーパーティー。」
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らく。(プロフ) - きりたんぽさん» リクエストありがとうございます、少し見てみましたがめささん面白いですね〜!もう少しお勉強してからになりますが、ぜひ書かせていただきます。応援コメントものすごく嬉しいです、ありがとうございます! (2016年9月12日 20時) (レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
きりたんぽ - 書ける方々に書いてないんですけど、泣き虫な、悪魔めさ(めさ)さんを書いていただけないでしょうか。 無理なお願いをして申し訳ありません。 更新、頑張ってください! (2016年9月9日 2時) (レス) id: aa815dad7c (このIDを非表示/違反報告)
3.14159265358979323・・・ - きっくん”ん”ん”ん”あ”あ”あ”あ” (2016年8月31日 21時) (レス) id: 138fe4e0ba (このIDを非表示/違反報告)
らく。(プロフ) - ライトユーザーさん» リクエストありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張りますね。コメントありがとうございました! (2016年8月2日 18時) (レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
ライトユーザー - 積極的な蘭たんお願いできますか? (2016年8月1日 21時) (レス) id: 04185b1930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らく。 | 作成日時:2015年7月26日 2時