囲む燈には幸せが寄る/k ページ25
「Aー！鍋パしようぜ！」
突然私の家に押しかけて来て、
鍋をやろうとか言い出したこの残念過ぎる金髪野郎。
土鍋を抱えてるのが滑稽だ。
でも、流石に朝から鍋はちょっと、ね。
寒いので取り敢えず中に入れる。
こたつに滑り込んできた堕天使に、
蜜柑を投げつけながら問う。
「急に鍋とか、どうしたの」
いや、普通に寒かったから！
皮を剥きながら笑顔で答える目の前の男。
そうは言っても、何で朝から来たのか。
それとなく伝えてみると、
会いたかったから、なんて返されて少しだけ動揺してしまった。
少しだけ、だからね。
冷蔵庫は見事なまでに空だった。
昨日までの私は何を食べてたんだ。
よっしゃ買い出しじゃー！と、
元気そうな奴を横目でちらりと見て軽く笑う。
これじゃあ親子だよ、きっくん。
周りの視線が痛い。
格好いい三十歳児を連れてるからか、
白菜を手に取りながらぼんやりと考えていた。
「なんかさ、俺ら夫婦みたいだな」
隣でぽそりと呟かれた言葉に、
一瞬で意識がそちらに向いた。
目を見開いて見つめると、
短くなった金髪を揺らしてにこにこと笑っていた。
ばれないように、何が食べたいかと問う。
んー、と悩む素振りを見せると、
人参を手に取って、これお願いします。
うさぎさんのポーズをしながら答えてくれた。
了解、とポーズに吹き出しながら受け取る。
誰かと囲む鍋を楽しみに、
買い物をするのって楽しいんだな、なんて。
ちょっと私らしくない事を考えた。
隣で楽しそうに揺れるきらきらした髪に、
安心して笑顔が溢れた帰り道。
こたつに滑り込んで、思わずほっと一息。
ほかほかと湯気が立ち上る土鍋を囲んで、
二人で声を揃える。
「いただきます！」
はい食事スタート。
温かい野菜を箸でつまんで、口に入れる。
出汁の味が優しく広がって、
あ、なんか良いな、こういうの。
美味しいね、ってきっくんと笑い合った。
本当に夫婦みたい、今度は私が呟いた。
ふと隣を見て吃驚してしまった。
隣には顔を真っ赤にしたきっくんが座っていた。
沈黙。
いや、まさかね。
私はこれ以上は望まないし、
一緒に鍋を囲んでるだけで幸せだもん。
ほわほわと、優しく湯気が回った。
でも、いつかは伝えるかもね。
それまでは、今の幸せに浸ってたいんだ。
colorful…?/ko→←ふたつとひとつの治療法/Docters
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らく。(プロフ) - きりたんぽさん» リクエストありがとうございます、少し見てみましたがめささん面白いですね〜！もう少しお勉強してからになりますが、ぜひ書かせていただきます。応援コメントものすごく嬉しいです、ありがとうございます！ (2016年9月12日 20時) (
レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
きりたんぽ - 書ける方々に書いてないんですけど、泣き虫な、悪魔めさ(めさ)さんを書いていただけないでしょうか。 無理なお願いをして申し訳ありません。 更新、頑張ってください！ (2016年9月9日 2時) (レス) id: aa815dad7c (このIDを非表示/違反報告)
3.14159265358979323・・・ - きっくん”ん”ん”ん”あ”あ”あ”あ” (2016年8月31日 21時) (レス) id: 138fe4e0ba (このIDを非表示/違反報告)
らく。(プロフ) - ライトユーザーさん» リクエストありがとうございます！楽しんで頂けるよう頑張りますね。コメントありがとうございました！ (2016年8月2日 18時) (レス) id: 8ad97f7842 (このIDを非表示/違反報告)
ライトユーザー - 積極的な蘭たんお願いできますか？ (2016年8月1日 21時) (レス) id: 04185b1930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らく。 | 作成日時：2015年7月26日 2時
