正面突破.38 ページ39
「なん、で……」
あんなに上手かった表現力も、広かった音域も、波打つ様な抑揚も、心が震える雰囲気も、真っ直ぐな声も全部、衰えている。
違う。
俺が憧れ目指した“A”が歌う【アルト】の歌はこんなもんじゃない。
「なぁ、ぱなまん。
これってさ、メンタル的なあれじゃねぇの？」
メンタル？
「いや、あくまで俺の臆測だけどさ。
まずA=“A”っていう前提で話を進めるけど、“A”……負け犬は歌い手だった頃何かのプレッシャーに押し潰され全盛期で引退。そしてその後負け犬とあの言葉がきっかけで呼ばれ始めた。
しかし、負け犬はその言葉を知らないとしたら？」
「……あっ！」
脳裏に浮かんだのはあの人のあの文章。
＜Aの、ーーーー、ーーーー！＞
確かにあの長い文に目を通すのはおろか、大体その文やスレの存在自体知らなければ、こうなっているのも合点がいく。
「多分Aは、“失声症”だ」
「なんだよそれ」
「なんらかの過度なストレスやプレッシャーに耐えられなくなって歌えなくなる、まぁ一種の病気だ。
歌えるようになるには元凶を取り除く、また解消でもしない限りは歌えない。Aの場合は“負け犬”だろーな」
「じゃあ、あの文見せればーー」
「どうやってだよ、バーカ。
Aにお前は失声症になっていて、でもコレ読んだら治るからコレ読んで！ っていきなり押し掛けて言うのか？ 馬鹿じゃねぇの。
……てか、アンさんに釘刺されてるだろうが。特にお前らD班は“何もするな”って」
「……ｯでも！」
「でも？ はっ、何。困ってるから助けないとってか？
寝言は寝ていえよぱなまん。綺麗事で好感度アップとか間に合ってますんで」
「そんなんじゃーー」
「助けたいのは俺も一緒だよ。
でも仕方ねぇだろーが。
Aが所属してるあのシェアハウスは決まりがある。有名だからお前も知ってんだろ？
……部外者の俺達は助け船すら出せないんだよ」
拳を握りしめ、そういい放ったなるせの声は酷く悔しがっていた。
せめて、助け船でも出せたら良かったのだけれど、実力者枠どころかニコニコラボ枠でもない俺には意見することさえ許されない。
なんて無力なんだ。憧れた人物があんなにも苦しんでいるというのに。
「くそっ」
重くのしかかる重圧の中、歌声だけが響いていた。
ラッキー歌い手(敬称略)
天月
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ゆゆ - sou君かわいそう、sou君かわいそう←作者様にむけての愛の告白((( これからも頑張ってください！応援しています！大好きです((( (2020年5月31日 13時) (
レス) id: c303749b45 (このIDを非表示/違反報告)
来賓 - 天月さんだったら 天「……」みたいな感じがいいと思います。 (2017年9月22日 17時) (レス) id: 00ddd4f313 (このIDを非表示/違反報告)
シャウトノイズ@叫音紫乃(プロフ) - むむむさん» 台本書きでない分、どの人が話しているか分かりやすい様に、と口調を変えたつもりでしたが、完璧に私の書き方が下手でした。分かりにくくて本当に申し訳ないです。 (2016年9月26日 8時) (レス) id: c4109b72a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャウトノイズ@叫音紫乃(プロフ) - ほしさん» 語弊がありました。歌い手ではない、という意味で一般人という言葉を使わせて頂きました。もし気分を害されて仕舞われたらごめんなさい。合わせて、返信が遅れてしまったこともお詫び申し上げます。すみませんでした。 (2016年9月26日 8時) (レス) id: c4109b72a0 (このIDを非表示/違反報告)
むむむ - 誰が喋ってるのかわからない(´Д` ) (2016年9月22日 2時) (レス) id: 86b2e86700 (このIDを非表示/違反報告)
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