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あなたを見送ってから、どれだけの時間が過ぎたのだろう。
随分長い時が過ぎた気がする。
あれから私は、あなたを忘れようと努力した。
だから、ミニョンがいなくたって、こうしてちゃんと生きれるようになったの。
私もあなたも、お互いが初めての相手だった。
2人で大人になってくんだって思ってた。
でもいつの間にか、私は1人で大人になってる。
あなたもどこかできっと、大人になってるんでしょう。
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友達が家に遊びに来て、久しぶりにずっとテレビをつけた。
ミニョンと別れてからは、彼を万が一にも見るかもしれないと思って、見ない癖がついていた。
今日に限ってそんなこと、って思った私が甘かったみたい。
画面に写ったのは、泣いてるあなただった。
「あ…」
「え?なに?Aこういうの興味あったの!?
アイドルなんて全然興味示さなかったのに。
今話題のオーディション番組じゃん。
…ああ、あのグループの人入ったんだ…
って、泣くほど嬉しいの!?」
私の前ですら、決して泣かなかったミニョン。
あなたが泣いてるのを見て、この数年あなたが背負って来たものの重さを感じた。
繊細なあなたのことだから。
きっと、色々抱えて来たんでしょう。
他のメンバーより上位になったことだって、今申し訳ないと思ってるんでしょう。
別れたはずなのに、どうしてかあなたのことをこんなにも考えてしまう。
おかしいでしょう?
私ね、本当はあなたの仕草、癖、匂い。
全部覚えてる。
おかしいって笑ってよ。
ねえ。
友達には「そんなに嬉しい!?」って呆れられて。
何も深くは聞かれなかったことだけが幸いだった。
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ring(プロフ) - まゆさん» 初めまして!コメントありがとうございます。気付くのが遅くてすみません。完成次第アップさせて頂きますので、読んでくださったら嬉しいです(^^) (2017年6月20日 20時) (レス) id: 73f0eafd9e (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 初めまして。ミンギュのが面白かったです。ミンギュの話の続きが知りたくなりました。機会があったら、続き書いてもらいたいです。 (2017年6月17日 21時) (レス) id: 13cb3fd920 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あよん | 作成日時:2017年6月12日 15時