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「…Aは、なんでそう思ったの?」
おそるおそる、彼女に尋ねる。
結局のところ、臆病な僕にはこの質問が限界だった。
「…だってね。
そしたらジュンミョンは傷つかずに済んだでしょ?
もっと幸せだったんじゃないかなって。
ジュンミョンに苦しいことがあっちゃ、いけないから。」
そうだ、Aはこういう子だ。
自分のことなんて考えずに、僕の幸せを1番に考えてくれる、そんな子だ。
そんなこと、僕が1番よく分かってるはずじゃないか。
君が素直な感情を僕に言ってくれたのだから、僕も素直に。
本当に素直に伝えるよ、今の僕の気持ちを。
ただの、キム・ジュンミョンとしての気持ちを。
「でもね、A。
その傷を癒してくれたのは、君なんだよ。
今の僕の幸せは、Aが隣にいてくれること。
だからね、君が望むなら僕はすべてを捨てられる。
君の隣にいるためなら、僕は何でもできる。
…こんな感情、初めてなんだ。」
こうやって伝えるとね、腕の中の彼女は目にいっぱい涙をためて、振り返るんだ。
ツーっと美しく彼女の頬を滑り降りる雫を、親指でそっと拭って。
Aの小さな唇にそっとキスをして。
「…これからもよろしくね、僕の奥さん。」
僕のことなら、何でも分かってる君だけど。
さっきよりも、もっと泣いてるAを見ながら、永遠に君を守れる男でいよう、なんて。
改めて覚悟をしていたことは、きっと君も知らないよね。
_____ただのあなたに END
「いいか、パパとジェノ、2人の約束だぞ?」
「うん!いつでもママを守ること!
ママの王子様になること!」
「え…王子様はパパがやるんだ。
だからジェノは…うーん…」
「ヤダ!ジェノも王子様がいい〜」
「パパったら…ジェノ、向こうで遊んでおいで」
「ジュンミョン!恥ずかしい!」
「なんで?Aの王子様は僕でしょ?違う?」
Aとジュンミョンの間には、ジェノという可愛い息子が生まれ、末長く幸せに暮らしましたとさ。
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作者名:あよん | 作成日時:2016年2月20日 17時