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何でだろう、俺がここまでするのって。
好奇心…きっと、好奇心からだろうな。
家の人間に頼んで、イ・Aについて調べ上げ、ついには同じ高校に転校した。
うちも有名な家ではあるけど、俺があまり会合に顔を出してなかったから、バレなかったらしい。
近づいてみれば、イ・Aという奴は何とも素直なやつで。
一生懸命まぶた開けてるけど、つけまつげの重さで今にも閉じそうだし。
言葉遣い悪くしようとしてるけど、毎回吃ってるからな。
つっかえすぎだわ。
コイツと一緒なら、人生楽しそう…とか思っちゃってる俺がいた。
要するに、気に入ってしまった、ということ。
だから、言ってしまったんだ。
コンビニで買ったパンの、添加物の量に目を見開いてるお前に。
きっといつも、無添加のオーガニックしか食べてなかっただろう、お前に。
「おい、A。
無理すんなよ」
そう言ったら、アイツはキョトンとしてた。
「キ、キム・ジョンインに何が分かるのよ!」
「Aって奴が、全部分かってる。」
「え…?!?!?」
目を白黒させてるイ・A。
うん、俺マジで気に入ったみたい。
疲れ切った時、1人で学校の屋上に来ては息抜きしてるイ・A。
やっぱりお嬢様だから、ヤンキーぶるのは相当疲れるらしい。
だったらやめりゃいいのに、なんて言えないけどな。
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「お父様、俺、イ・Aさんと結婚します」
「そうか。
よく決断した。
しかし、お前の行動力には驚いたよ。
転校までするとはな。」
「お母様も嬉しいわ。
あなたがそう考えてくれて」
そこから、うちの方の準備はトントン拍子で進んで行った。
気が早いことに、タキシードの採寸まで。
でもやっぱり、イ家は違ったみたいだ。
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作者名:あよん | 作成日時:2016年2月20日 17時