1 『君』という人 ページ36
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私はいつも、「友達」に囲まれていた。
本当の『私』なんて、カケラも知らない人々に。
「やっべぇ、マジウケるんだけどぉ〜」
今日も私は、つけまつげを三枚重ねて、重くなった瞼を一生懸命開きながら、努力して悪い言葉遣いを駆使する。
こうでもしないと、ダメな理由があるから。
…こうでもしないと、私はいつか、結婚させられてしまうから。
_____『君』という人 JI
私の家は、地元では有名な地主で、会う人々皆が私に会うと「お嬢様」って挨拶するくらいだった。
私のバレエの発表会が開かれれば、100人以上が私を見るためだけに集まった。
それくらいの家だから、代々政略結婚は当たり前。
高校生三年生にもなると、縁談が次々と舞い込んだ。
でも私は、結婚なんてしたくない。
政略結婚なんて、愛の無い結婚。
お父様とお母様のように、ギスギスした夫婦関係は嫌だ。
小さい頃から、ずっと思っていたこと。
それは、家を出るということ。
でも、そもそも家を出ることなんて私に許されないことぐらい分かってた。
�爐犬磴◆�縁談が来ないようにすればいいんだ。”
そう気付いた時から、近くのヤンキー高に転校して髪も金髪にして、メイクもして、極端に短いスカートを履いて…
縁談が来なくなるまでは、あっという間だった。
それに、新しい自分にも嫌気はささなかった。
むしろ、好きだった。
自分を守るために戦っているような気がして。
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「新しい転校生を紹介する。
キム・ジョンイン君だ。
皆、仲良くするように。」
この、キム・ジョンインが私の人生に大きく関わってくるなんて知らずに。
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作者名：あよん | 作成日時：2016年2月20日 17時
