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私からスーッと離れていくベッキョン君。
「やだなぁ先輩も彼氏さんも！
本気じゃないよー
もう！
じゃあ邪魔者は退散しますねー」
彼の表情は、本心は、最後まで分からなかった。
「………」
残された私とギョンスの間には、気まずい空気が流れる。
なんでこうなっちゃったんだろ。
私が多くを望みすぎたせい？
やっぱり私が悪いのかな、、、そうなのかな、、、
長い沈黙が重くて、
苦しくなった頃。
こんどは視界が真っ黒になる。
ギョンスの黒いコートで。
それから品のある爽やかな香り。
ギョンスに抱きしめられてるんだな、なんて気づくまでに時間はかからない。
やっぱり落ち着くのはこの体温で、私には彼しかいないってことを改めて痛感するんだ。
たとえ、彼が愛情表現が苦手だとしても。
「A…
Aの彼氏は、僕じゃないの？」
いつになく不安そうな彼の声。
やっぱり聞こえてたんだね、ベッキョン君との会話。
「さっきのは演技だよ？
私の彼氏はギョンスだから」
「…じゃあなんで抱きしめられてたの？」
なんだかちょっと虐めたくなってきて。
「んーなんか告白されちゃったから」
なんて言ってみれば。
まっすぐ見つめられて、大人なキスが降ってくる。
「ダメだよ？
僕以外に触れられたら。
ダメだよ、絶対」
普段は言わないセリフを聞けて、ちょっと嬉しくなったなんてことは、ギョンスには秘密にしておこう。
愛情表現は苦手だし、性格も良いとは言えない。
それでもやっぱり一番落ち着くのはギョンスだし、
それはちっちゃい頃からずーっと変わらない。
私がおばあちゃんになるまで、隣にギョンスがいてくれたら嬉しいな。
でも、これをギョンスに直接言えないあたり、私も愛情表現は得意ではないのかもしれない。
…なんて思う日々。
_____似た者同士 END
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作者名：あよん | 作成日時：2016年2月20日 17時
