1 彼氏(仮) BK ページ29
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「ねえ!A!今日さ、ちょっと付き合ってほしいところがあるの!
お願い!夕方からなんだけどさ、夕飯付き合って!!」
私の手を握りながら、ウルウルした目をしてるのは親友のダヨン。
高校一年の時から大学生になった今まで、ずっと変わらない親友。
そんな彼女のお願いを無視するわけにはいかない。
ここまで切実に頼んでくるのも珍しいし…
そんなわけで、観念してベクに連絡してしまった。
【ベク、ごめん。
ダヨンがどうしても夕飯付き合ってって…
本当にごめん!!!
先に約束してたのに…
映画はまた今度一緒に行こうね!!】
【分かった。】
ああ、ベク…絶対怒ってるよね…
幼馴染のベッキョンと映画を見に行く約束をしてたけど、ドタキャンの連絡を入れたら。
たった一言だけの返信が返ってきた。
_____「彼氏(仮)」
「ねえ、ダヨン。
これってまさか…???」
ダヨンに連れてこられたのは、完璧に合コン。
こんなの聞いてない。
「Aごめん!なんか、Aがいないと来ないっていう男子がいてさ…」
「そんなのどいつよ!?」
ダヨンが視線で合図するから、その先を見ると…
わお。イケメンがいました。←
その後の自己紹介で知ったんだけど、名前はパク・チャニョル。
同じ大学で、学部も同じ。
まさに大型犬みたいに明るい人。
どことなく雰囲気がベッキョンに似てる…かも?
犬っぽい感じが?
あ、なんで私ベッキョンと比較してるんだ?
今は目の前のイケメンに集中…と。
「ねえねえ!Aちゃんは、アニメとか見る?
ゲームとかやる?」
「あ!やるやる!」
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「でさーーー、あのゲームのあのキャラ、…」
「ぐぇー酔ってきた〜」
お互い趣味が合うということもわかり、話が弾んでお酒も進む。
私はお酒に弱い訳では無いけど、特別強い訳でも無い。
さすがに酔いが回ってきたぞ、こりゃ。
「Aちゃん、あと1杯だけ!」
断ったら、周りの空気を壊してしまいそうで、チャニョル君の心配そうな視線を最後に、私の意識は途切れた。
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作者名:あよん | 作成日時:2016年2月20日 17時