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「Aは!!!」
私を呼び止めたチャニョルの声。
何を言われたって、振り向かないつもりだったのに、聞いたこともないような低くて、大きな怒った声に驚いて、私の足は止まってしまった。
気付けば、彼はもうすぐ後ろにいて、
私の腕を引き、向かい合わせたかと思うと、静かに話し出した。
「Aはさ…
自分が悪いとか思ってるでしょ?
それ、違うから。
Aを不安にさせたのは俺だし、それに気付いてたのに何も言えなかったのも俺。
Aが引っ越した後、Aの居場所突き止められなかったのも俺。
もちろん引っ越してすぐは、なんで?って、どうして?って思ったし、怒りすら覚えた。
でもさ、Aの居場所を聞き出そうと思って、Aの友達にさ、電話かけようとしたんだ。
そしたら、誰1人知らなかった。
俺、Aのことちゃんと知れてなかったんだなって。
その時分かったよ。
それで、俺はここでAが帰ってくるのを待とうって思えて、今こうしてまた会えてる。
ねえ、それで良くない?
それでまた一緒にいれたら、良くない?
俺だって、もう結構稼いでるんだよ?
…Aと、結婚、できるくらい。」
チャニョルの言葉にハッとして顔を上げると、すごく穏やかな顔の彼が目に入る。
「だからさ、結婚しようよ、A」
______切れない糸 END
「A〜Aがいる〜」
「何?ウザいチャニョル。」
「えーひどいー!!でもいい〜いるだけでいい〜」
「な………」
彼は、今日も私の小指にキスを落とす。
「赤い糸で結ばれてるもんね、俺とAちゃん」
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作者名:あよん | 作成日時:2016年2月20日 17時