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「フッ…」
自然と自嘲的な微笑みが漏れる。
私、馬鹿だね。
自分で手放しておいて、こんなんになってんの。
自分で選択したくせに、責任なんてかけらも取れてないじゃない。
…もう、さすがに忘れなきゃだよ?A。
自分に言い聞かせるように、一人きりのマンションでつぶやく。
「…寝るときは、ちゃんと寝間着を着てね。
よく布団剥いじゃうから。
風邪ひかないようにして?
お風呂入って頭洗ったら、ドライヤーで乾かして、育毛剤もちゃんとつけてね。
将来が心配だよ。
ハゲちゃうよ?
大丈夫かな、、、
私はその時隣にいれないから。
チャニョラ、、、、」
テレビの中の彼は、何も答えるはずもなく。
ただただ、私の好きだったあの笑顔で笑っていた。
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「ミンジョン〜」
翌日出社して、真っ先に同期のもとへ行く。
ミンジョンは、私とチャニョルのことを知ってるし、私が今までズルズル忘れられずにいたことも知ってる人。
「何?どうしたの?」
「…吹っ切った。」
「え…?
そう。よくやったわね!」
ミンジョンは、そう言って私の頭を撫でてくれる。
なんだか同期なのにお姉さんみたいで、サバサバした性格がこういう時は心地いい。
「よし、A!
今日は飲みに行くよ?」
「うん!ミンジョンおんに」
ふざけて私がおんにって言えば、何言ってんのよってツッコミが返ってくる。
…大丈夫。私は彼を、忘れられる。
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作者名:あよん | 作成日時:2016年2月20日 17時