吐いたのはお花『花吐き病』 (ページ7)

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チューベローズ『危険な快楽』ページ7

「それではどうか無事で……作戦を開始します！」

『来て』

私は優ちゃんの腕を掴むとシノアの合図と同時に走り出す。
吸血鬼の居場所はきっとこの建物の最上階
行くしかない

「お、おい！」

『どうしたの？』

「ミカは元気そうだったか」

『……何かを探している瞳
欲しいものが手に入らない絶望
ハナニラ……悲しい別れ』

「どういうことだよ」

ミカ、金髪の子は元気じゃない。
彼は君がいないことによって心に大きな穴を抱えている。
例えるならハナニラの花、悲しい別れ
彼はそれを受け入れられない

『行こっか』

「あぁ」

ボロい、ボロすぎる。
歩くだけで地面が崩れそうなほどにこの建物はもろい……
私が眉毛を歪めていると優ちゃんは気にすることなく進んでいく

「うをっ！」

『バカ……』

落ちる寸前で私が腕を掴んだからいいものの、警戒心が少し薄すぎる。
引き上げると優ちゃんは申し訳なさそうに謝ってきた。

「ごめん」

『はい』

「は？」

『手繋ごうよ、家族みたいに』

ニコッと笑うと彼は目をそらし頬を指でかきながら私の差し伸べた手を受け取った。
フフっ、そんな声が思わず漏れる、警戒心のないのは私だったかな

『待って』

聞こえる、吸血鬼の声、そして仲間の声。
この声は君月と三葉……まさか待機場所に吸血鬼が言ったか？
もしかすると、見回りに出ていたとか？

「おいA、君月と三葉が！」

『シー！』

私は上から覗き込む、どうやら貴族のようだ
待機させたのが失敗か……あの二人じゃ今のままど倒される
だからといって作戦を放棄するわけも……
援護は、与一は？！

『うそ……』

「A！助けるよな！」

『手、絶対離さないでよ』

私は与一が貴族に倒されている姿を目撃した、どうやら貴族は合計三人……負ける？
そんなわけない、私がいるから

「おー、何きたね」

「おやおや子羊ですねー」

なんだあの迫力のある巨乳は……美男美女、だと？倒す価値ありすぎる。
私の手から出てきたのはぬいぐるみ

「なんだアレ、ふざけてんのか」