吐いたのはお花『花吐き病』 (ページ36)

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デンファレ『有能』ページ36

『グレンのこと嫌い』

私が悪いってわかってる。
謝らなきゃいけないってわかってる。
けど私を見つめるみんなの目がまるで昔の両親に見られているようで、足がすくむ

声がかすれて視界が揺れて、クラクラした

「A！グレンちょっと言い過ぎだよ」

「黙れ、追いかけるならお前も帰れ」

「グレン、Aがいないだけでどれだけ戦力が落ちると思うの？
あの子が本気を出せば貴族に一人で勝てる
僕は追いかける」

「勝手にしろ
いいか！今回の任務には、おそらく過去最大の危険が伴うだろう。
俺たちは家族をたくさん失う事になる！それでも、この任務はやり遂げる価値がある！」

グレンの大きな声がした。
それしか聞こえない、もう目の前も見えない
音しか聞こえない

ふらりと姿勢崩せば私はそのまま地面に体を投げ出す。

「おっと」

『ごめんね、ごめんね日向』

「……ッ」

『また会えて、良かった
言えなかったけどずっとずっと、あの時のこと感謝しているよ
実験は結局成功してしまったけど、頑張ったかな？私』

「頑張ったね」

あの暖かいではなく何処か冷たい手は私の頭を優しく撫でた。
今考えればわかる、これは日向ではなく深夜だったということを

『へへっ、ありがとう』

「A？ A？！」

ゆっくりと目を閉じると私は深い眠りについた

『……悪鬼』

彼女は動けない状況、それは私が無理矢理ここに封じ込めているから。
結晶の中にうまっている悪鬼の力だけを利用する、そして命令し勝手に動いてもらう。

これは実験でなったことではなく、私の体質のせいでなった。

あいつがいるから

「あらあら、元気な子猫が久しぶりにやってきてくれたわ」

赤いメッシュのはいったロングの黒髪、彼女は私の精神に住み着いている死神。

物心つく前にもう私の中にいた

『久しぶりだね、死神さん』

「そろそろ私のこの力、精神をえぐるだけじゃなくて物理的にも使ってもいいのよ」